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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夜中の話声
短編 2024/12/08 00:11 1,150view
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私の息子が小さい時、息子を私と妻で挟みながら川の字で寝ていました。
ある日の午前3時頃、妻がふと目を覚まし横を見ると、寝てるはずの息子の姿がなく、
「トイレかな?」と思い、起きて待っていたが全然戻ってこないので不審に思い、確認しに行くと息子は隣の部屋の入り口で倒れていた。
というより、寝ていた。
妻は、
「なんで、こんな所で?寝ぼけてたのかな?」と思い、息子を抱き上げて布団に戻した。

数日後、妻が夜中に目を覚ますと息子の姿がなかった。「また?」と思いすぐに隣の部屋に行くとまた数日前と同じ場所で寝ていた。
さすがに2度もこのようなことが起こると普通じゃないと思った妻が、翌日、
「また、隣の部屋で寝てたよ。覚えてないの?」
と息子に聞いた。
「え?そうなの?全然覚えてない。」と息子は答えた。

妻はそれから、午前2時30分頃に目覚ましをかけ、息子を確認するようになった。
1週間ほど経ち、寝ぼけて起きることがなくなったので妻は少し安心して目覚ましをかけるのをやめた。

数日後、今度は私が夜中に目を覚まして息子がいないことに気づいた。
私は「またか。」と思い、隣の部屋に行こうとした途端に金縛りにかかって動けなくなった。
「金縛りだ。こんな時に。」と思っているとなんだか声がした。
「……だよ。……ね。」
隣の部屋から息子の話声が聞こえてきた。
「誰と喋ってる?」と考えていると
金縛りが解け、妻を起こした私は2人で隣の部屋に行くと息子はまた入り口で寝ていた。
「誰かと喋っていた。寝ぼけて?こんなに何回も…」と私達2人は原因を考えたが何故そうなったのかわかるはずもなく謎は解決されないまま寝ることにした。
それから、また夜中に目覚ましをかけて私と妻が息子を確認するようにした。

しばらく、息子が寝ぼけて起きることはなかったので少し安心してきたある日のこと。
目覚ましをかけた時間より少し早く目が覚めた私はありえない光景を見て背筋が凍った。
息子の方を見ながらまた寝ようとした瞬間、息子がいきなりすごい勢いで起き上がり、座ったまま、ある一点だけを見つめ続けていた。
その後、立ち上がり寝室を出て隣の部屋に向かっていった。

あまりの突然の行動に驚きと恐怖で動けなくなっていた私は金縛りにあっているかのような感覚になっていた。
そして、隣の部屋からまた息子と誰かの話声が聞こえてきた。
「……だから、……だよ。」
「行かないよ。」
「嫌だ!」
と大きな声が聞こえて妻も異変に気付き、隣の部屋すぐに向かった。
すると、息子の前に男性のような黒い影が立っていたそうだ。
妻は恐怖で一瞬固まってしまった。
すると、息子の腕を黒い影が引っ張りどこかに連れて行こうとしていた。
「嫌だ!行かない!」
と叫ぶ息子の声が聞こえ、妻が急いで息子を後ろから抱きしめた。
しかし、引っ張る力が強く、妻も体をもっていかれそうになっていた。
私はなんとか動けるようになり急いで2人を抱えた。
その後は黒い影も消えて引っ張られなくなった。

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