ごめんください
投稿者:たち (14)
そして、2階に向かって「ごめんくださーい。」と叫んできました。
声も出せず、体も動かない状態でその声を聞くことしかできません。
「トン、トン」と階段を上がってきました。
「ごめんくださーい。」
私がいる、2階の奥の部屋にまでもう来たであろうところで声がしなくなりましま。
私は混乱していました。
壊れてたチャイムも鳴り、勝手に家に入り、2階まで上がってきて、おまけに声も出ず、体が動けない。
布団に入ったまま、目線を部屋の角に向けていると、
「なんだ、いるじゃん」
という低い声と同時に見知らぬ男性がこちらを覗き込んできました。
あまりの恐怖で気を失ってしまったようでした。妻と子供達に起こされ私は目を覚ましました。
「パパ、大丈夫?」という子供達の声と、「汗がすごいよ。」と妻が言いました。
私は「う、うん、大丈夫だよ。」と答えました。
夢を見たんだと思い、安心し深く息を吐きました。
家族は1階に降りて行き、私は1人でベット脇に座り汗を拭いていると、
「ごめんくださーい。」という声が聞こえました。
「えっ?」と思い、心臓の鼓動が大きくなりました。
下には家族がいるから対応すると思っていましたが、
「ごめんくださーい。」
家族が対応することはなく、ドス、ドスと廊下を歩く音、2階に向かって呼びかける声、トン、トンと階段を上がってくる音、と夢と同じ状況に、目を見開き、頭を抱え、呼吸が荒くなってきました。
そして、夢と同じように部屋の近くで声がしなくなり、束の間の静寂後に
「やっぱり、いるじゃん」
と角から顔を出し部屋を覗き込んできました。
私はまた気を失いました。
1階の物音で目が覚め、天井を見上げていました。
これも夢か?現実か?また誰か来るのか?
訳がわからなくなっていました。
体は動く、声も出る。体を起き上げ、1階に行ってみようと立ち上がりました。
「ごめんくださーい。」
という声がして、一瞬にして恐怖に襲われ、鳥肌が立ち、立ち止まりました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。