私の秘密
投稿者:たち (8)
「行きたくない。このまま送って帰りたい。」と内心思いましたが、全員を説得できるはずもなく行くことにしました。
港を通り過ぎ、山道を登り、市内から40ふんほど走らせて目的地近くまで来ました。
目的地に行くには、森林の入り口に車を停め、森林の中を10〜15分ほど歩くと着くそうです。
私自身、この場所に来るのは初めてでした。
車を停め、各自スマホのライトを着けて歩き始めました。
森林に入り、少しすると鳥居が見えてきました。
鳥居をくぐり、少し行くと道の脇に小さな祠がありました。
「すみません。少しだけ入ります」
と心の中で念じながら通り過ぎました。
祠を過ぎて、5分ほど歩くと森林から抜けて海が見えました。
数百メートル先の小高い崖の先端に、月の灯りでぼんやり見える灯台。
この灯台に行きたいと Aは言って、ここまで来ました。
霊感のない私ですが、ヤバい雰囲気を数百メートル先からでも感じ取ることができました。
女性陣も無言。
Aは、
「やべー、こえーよ。」
と言いながら、1人だけテンションが高かったです。
Aは灯台に向かい歩き始めました。
「おい!もうダメだって!」
引き止めようとしましたが、
「もう少し近くで見たら帰るから」
と言い歩き続けました。
徐々に灯台が近づいてくるにつれ、怖さが増してきました。
暗い中にそびえ立つ灯台、黒い海、崖に打ちつける不気味な波の音、風で揺れる木々、全てが怖くてたまりませんでした。
「もうダメだ!帰るぞ!」
と Aを3人で引っ張りました。
「わかった。帰ろう」
とようやく帰れることになりました。
3人で Aを引っ張りながら早歩きで来た道を戻りました。
途中にあった、祠に
「入って行って、ごめんなさい。」
と通り過ぎる時に念じました。
車に乗り込み、帰りの車中では Aがまだ少し興奮気味で灯台のことを話してました。
全員、無事に自宅に送り届け、ようやく私も帰宅しました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。