私が小学生の頃の話。
父方の祖父母と一緒に暮らしており、小学生の頃は祖父と野球をしたりして遊んでいた。
祖父はトラックの運転手をしていて、トラックにもよく乗せてもらい、仕事に一緒についていったことも多かった。
あまりおしゃべりではなく、どちらかというと寡黙。
外出する時はサングラスをかけており、側から見ると少し怖そうな見た目だ。
仕事から帰り、夕食を食べ終わると寝室に行き、横になりながらテレビを遅くまで観ていた。
私もたまに祖父の横になってる後ろで、一緒に野球を観たり、相撲を観たりしていた。
そんなある日のこと、いつものように夕食後、祖父は自分の寝室に行きテレビを観ていた。
私も暇だったのでいつものように祖父の後ろでテレビを観ていた。
その時、
カーン
と微かに音がした。
「ん?鐘?の音?」
と思った。
祖父はテレビを黙って観ている。
気のせいか、と思いその場をあとにした。
次の日の夕食後、私は茶の間にいてゴロゴロしてると、
カーン、カーン
と昨日より遠くの方から聞こえるような感じで音がした。
音も小さかったので特に気にもしなかった。
また次の日の夕食後、祖父と野球を観ていると、
カーン、カーン、カーン
とはっきり聞こえた。
「また!昨日より多く鳴ってる!」
と目を見開き驚いた。
祖父に、
「ジィ!今、音したよね?」
と音のことを初めて聞いた。
すると祖父は、
「ん?うーん」
と微妙な反応だった。
聞こえてなかったのか?と思ったがその話はもうしなかった。
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