失くなった御守りと後輩が見た夢
投稿者:藍咲 青 (11)
今から10年程前、自分と後輩が体験した話。
当時高校3年生の冬休み明け、実家から寮へ帰り荷解きをしていると後輩が荷物を持ったまま部屋に飛び込んで来ました。「先輩!無事でしたか!?」と息を荒げながら叫んでいたのでかなり驚きました。とりあえず落ち着かせ2人でコーヒーを飲みながら話を聞くと後輩は「夢で見た話なんですけど…」と青い顔をしながら語り始めました。
「先輩って神棚と仏壇がある部屋の窓側で寝てましたよね?」と聞かれ一瞬驚きましたが話の続きを聞くと「それで先輩って御守り入った袋持ってたけど休み中に失くしてません?実は夢ン中でその袋をデカい骸骨の化け物が笑いながら握り締めて消えるのを見たんスよ!」と興奮気味に語り、続けて後輩は「先輩に何かあったのかなって心配だったけど怖くて連絡出来なくて…」と話してくれました。
話は多少前後しますが以前より我が家に度々来る拝み屋さんがいて、その人から「君は変に力が強いから良いモノも悪いモノも引切り無しに集まってるの、だからこの御守りを肌身離さず持っていなさい」と1つの御守りを頂きました。手作りの巾着袋の中に梵字が書いてある3枚の御札(名刺サイズでラミネートされてた)が入ったやつで「コレがきっと守ってくれるから」との事で言われた通りに常にズボンのポケットに入れて生活していました。
この御守り、度々不思議な事があり朝起きると袋から飛び出て毎回決まった方向に散らばってる事が多々あり(図で表すと毎回↖↑↗な感じ)、そんな御守りですが、冬休み中のある朝に気付くとポケットの中から消えていて部屋と家中探すも結局見つからず諦めていたモノでした。
話を戻しまして、後輩の話を聞き終える頃には背筋が凍りついていました。夢の内容や御守りが失くなったのを言い当てられたのも勿論ですが、後輩は家に来た事は一度もなく自分が寝床にしていた部屋の事なんかを話した事すらありません、なのに布団を敷いた位置や細かい間取り、部屋にある家具の位置までを的確に言い当てていて2人して顔面蒼白になったのを今でも覚えています。
鳥肌立ちっぱなしになりながらも1つ気になる事があり「その変な夢見た日と俺が御守り失くした日付け同時に言ってみようぜ!」と後輩に持ち掛け2人同時に日付けを言い合う事にしました。 『それじゃ行くぜ!!せーのっ!1月2日!!』
日付けを聞いた瞬間互いに顔を見合わせ言葉を失いました。以後この話は後輩との間でタブーとなり現在に至るまで一度も話題にしていません。
後輩が見た夢と失くなった御守り、偶然とは思えない内容の一致に今でも寒気がします。
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