空耳

皆さんは“空耳”というものを体験した事がありますでしょうか。

「何となく声が聞こえた」
「そう言われた様な気がした」
その程度のものならば
とりわけ珍しい話でもないのですが

今回、お話する内容は
実際に私が体験した

“ハッキリと聞き取れた空耳”のお話です。

私がまだ20代前半で、実家から一人暮らしの為に東京へ引っ越して間もない頃でした。

東京へ引っ越してからというもの
アルバイトで生計を立てていたのですが
サービス業だったので土日休日は関係なく、生活費を稼がなければいけない日々に追われ
中々実家へ帰れない日が続いていました。

そんなとある真夏の8月のこと

お盆に入ると世間は帰省ムードになるし
それを口実に実家でゆっくりしようと決め、久々に連休をもらいました。

お盆に帰省する

と、言っても

まだその頃はジジババも健在
うちの実家とは別に、潮風が気持ちいい海辺の家で暮らしてましたので
特にお墓参りをする訳でもなく、ただゆっくり休みを満喫するのが目的でした。

折角の連休。
先ずは実家でゆっくり休んで、そんで次の日にジジババの家に行こうかなぁ。
そんな事を考えながら連休初日の午前中に一人暮らしの家を出て、実家へと着いたのは正午過ぎ。

実家に着いて、玄関の鍵をガチャガチャっと開けて「ただいまぁー」って入ったら、誰もいない。

うちは片親で、実家にいる家族は親父と兄貴と私含め3人だけ。もちろん2人共日中は働いてますので家族が常に家にいる訳ではないのです。

帰るとは伝えていたけど、家族がその日休みで家にいるかどうかは確認していなかったので

『2人共今日は仕事なんだろう。ま、いいか。』

と、帰りしなに買ってきた冷やし中華を一人で食べて、お腹も膨れたのでデーンとリビングのソファーに飛び込み、横になりました。