峠の幽霊
投稿者:Hiroto (2)
その日は、車で走るのには絶好の日だった。
あのことを除いては・・・
ある男は夜中の峠を走るのが大好きな、いわゆる走り屋であった。
その日はいつもと違い、道のコンディションや他の条件がとても良く走るのには絶好の日であった。
「今日の峠はすごく走りやすいぜ!うまくいけば新記録出せそうじゃんか!?」
そういうと男は時速100km程のスピードを出し峠を出発した。
いつもだったら音楽を流さずに走るのだが、今日は気分が良かったのかユーロビート調の音楽を流しながら走っていた。
「今日の俺は気分がいいから、音楽を流しながら走るぜ!」
それから暫く走っていると、後ろからライトの光が見えてきた。
そのライトの正体は車のヘッドライト、つまり男の他にも峠を走る人がいた。
「なんだ?俺と勝負するっていうんか?」
男は勝負に乗り時速120km程にスピードを加速させ勝負に挑んだ。
もう一台の車もそれに負けないほどのスピードを出し走ってきた。
(こいつ、なかなかやるな・・・!)
男が心の中でそう思った瞬間、もう一台の車が男の車を追い越した。
男は「んなっ!」と口に出してしまう程であった。
しかし、そこはもう少しで急カーブに入るところであり、スピードを下げて曲がるかドリフトで曲がるかしないとガードレールに突っ込んでしまう場所であった。
(おいおい、あの車大丈夫か・・・!?)
男が思った通り、もう一台の車はガードレールに突っ込んだ。
その時、状態が悪かったのかガードレールが折れてしまい、そのまま峠を落下してしまった。
男は車をどうにか止め、落下した場所に駆け寄った。
しかし、ガードレールが折れた以外の事故が起こったことがわかる証拠がなかった。
そして、落下して地面についたらドンッ!やドカンッ!などの音が聞こえたり車の爆発するのが見えるはずなのにそれらが聞こえず、見えずの状態だった。
男はすぐに警察、救急を呼び事情を話した。
警察が現場を検証、車が落ちたと思われる場所に行き下の状況を確認して男のもとに戻ってきてこう話した。
「先程、車が落ちた場所と思われる場所を確認したのですが、そのようなものは見受けられませんでした。」
車が落下したはずなのに、その車がなかったのだ。
「う、嘘でしょ!?そんなことあるはずがない!もう一度見てきてくれ!」
男がそう言っても警察は何もなかったという。
それから暫くし、警察と救急はそのまま戻っていった。
男は自分でも確認するために車が落ちたと思われる場所に行ってみた。
何だったんだ?謎。