【クリスマス特別編】サンタクロースの助手
投稿者:kana (210)
「ふ・・・ふざけるなぁぁぁ!」思わずそれを投げ捨てようとすると、ジジイが慌てた。
「あわわ、そ、それそんな扱いするもんじゃねーぞ! 大事に扱えや!!」
「いったいなんなんだ、あんた誰なんだ!?」
「ワシ?わからんか?クリスマスの夜に忙しい年寄りなんぞ、そうそういないだろが!!」
「何言ってんだこのジジイ、サンタでもあるまいに」
「サンタじゃ」「えっ?」「サンタじゃ」「は?」「サンタじゃて」「なんて?」
「サンタクロースだって言っとるじゃろうがぶっ飛ばすぞてめぇ!!」「ひぇぇぇぇ」
しばしの沈黙・・・。
「いやだって、サンタって赤い服着てモフモフの白いひげの恰幅のいい爺さんだろ?
あんたどう見ても小汚いその辺に居そうなクソジジイじゃねーか」
「ほんと口悪いなオマエ。あれはアメリカの宣伝だからな。本物はワシじゃ」
「だいたいサンタだったら世界の子供たちにプレゼント渡して歩くんじゃないのか?
プレゼントはどこよ!?」
「アホか! 子供にプレゼントを渡すのは親なんだよ!!そんなことも知らんのか!?」
「い、いや、確かに・・・知ってるが・・・サンタ本人がサンタ否定してどーすんだっ!!」
「いいか良く聞けそこの自〇志願者よ」
(ひ、ひどい言われよう・・・間違ってはいないが・・・なんかムカつく・・・)
「おまえに今渡したのは【幸せの種】じゃ。それを飲んだものに奇跡的な幸福をもたらす・・・神からの最高の贈り物じゃ」
「へぇ、じゃあこれをオレが飲んじまえば、オレは幸せになれるんだな!!」
「あぁ。ワシはこれを世界に分け与えている。日本に与えられる分はその5つだけじゃ」
「たったの5個~?日本は1億3000万人くらいいるんだぞ?そこに5個~?」
「そう。まぁお前が飲んでもいいけど、1個飲んでも5個飲んでも効果は同じだからな。まぁせいぜい1個飲んで、あとは幸せになる価値があると思う人間に分け与えれば良いと思うぞ」
「うっ・・・」ここで「価値」と言う言葉が頭の中を駆け巡った。
ついさっきまで、自分には何の価値もなく、この世に未練もなく、死のうとしていたはずだ。価値のある人間に飲ませるというのなら、自分にはその価値なんてものはない。
「あぁ、すまんすまん、そんな思い詰めんでもいいだろうに。飲め飲め、飲んじまえ」
「ていうか、ホントにそんな効き目あんのか?うそくせぇな」
「ほら、今度ドジャースに行く事になったO谷サン、アレもワシが【幸せの種】を飲ませてやったんじゃて、子供のときに。だからO谷サンはワシが育てたようなもんじゃ」
「・・・星野仙一みたいなこと言っとんなぁ、このクソジジイ・・・」
「まぁええから、一粒飲んでみ」
「・・・水・・・」 「は?」 「・・・水を・・・」 「はぁ?」
続きはあるのですか? ほっこりしました。期待してます。
↑kamaです。読んでいただきありがとうございます。
続きは、みなさんの想像の中で膨らんでいただければいいかな、と思ってます。
サンタが人にプレゼントするのも「利他」ってことなのかもですね。
みなさん幸せになりますように。
デスノートのラストではリュークがバカ笑いしながら空を飛び回ってたけど(実写映画版)
このお話ではラストでサンタがバカ笑いしながら空を飛び回ってそうだよね。
いいお話でした。
優しいサンタさんは、誰の心のなかにもいます。
Kana さん、お返事ありがとうございます。
主人公のオレが幸せになるように思ってみます。
このほっこりした気持ちはKanaさんからのちょっと早いクリスマスプレゼント
と思いました。
他の作品も楽しく読ませて頂いてます。応援してます。
主人公はラストの親子に幸せの種は飲ませなかったと思う。
だって結婚すれば済むことだし。
教会に行こうと誘うのも結婚式のメタファーだと思う。
↑皆様コメントありがとうございますkanaです。いろいろ楽しんでいただけて何よりです。
他作品も読んでいただいてありがとうございます。この作品はクリスマス用にと思って書いたんですが、投稿したの早すぎました??なんか最近奇々怪々さんの新規投稿が活況であっという間に流されて行きそうですw 本番のクリスマス当日にはもうtopページから消えてますねこりゃ。学生さんが冬休みだからですかね? 年末の休みはみなさんの作品をゆっくり全部見させてもらいまーす!
いい話すぎて全然怖くはありませんでした。
↑それはよかったです。世の中には怖い話はぜったいに聞かないという人が大勢いるので、そーゆー人たちにも安心して読んでいただければと思いますし、怪談は怖いばかりじゃないんだと、ファンのすそ野を広げられれば本望です。