スーパーロング白髪
投稿者:月子 (9)
短編
2023/12/07
13:01
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「まぁ病院ですから、そりゃ多くの人間の
死に場所になります。
でも、そんな患者は知らない。
見たことはない。」
師長さんは続けました。
「聞いたことならある。」と。
私の住む地域、そしてその周辺にある病院では
有名な話なのだとか。
いくつかある病院の、何百人もの入院患者のうち
数ヶ月に1人だけが被害に遭うのだそうです。
よくある亡くなった方の怨念、と片付けたいところですが
“膝丈の白髪”の患者なんて、どこにも存在しなかったそうです。
A国立病院にも、M内科病院にも、R診療所にも、
L中央病院にも……
本当にどこにも、いなかったはずなのだと
師長さんは頭を抱えていました。
何年か前から起きるようになったことで、
数人、それが関連しているのか信じたく無いが
自身に巻き付く白髪のことを話した数日後にお亡くなりになった方も
いらっしゃるそうです。
で、どうやって私が流れたかと言いますと
まず宝物感覚だったあのスーパーロング白髪を
鋏でちょきんと切り、切り、また切り、
数ミリ間隔になるまで切り刻みました。
そうして、師長さんと看護婦さん付き添いのもと
病院のお庭の片隅、ほんと片隅のところで
燃やしました。落ち葉と共に。
それからさっぱりあの現象は起きていませんから
たぶん燃やして良かったのだと思っています。
やはり危ないものは燃やすに限りますね。
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