ある人気者の末路
投稿者:太山みせる (35)
知人のA(60代後半の男性)から聞いた話
Aは小学4年生の時に、某県に引っ越しをした
そこでBという、生涯忘れられない少年に出会ったという
Bは勉強もスポーツも、何でもできる優等生であった
ルックスも性格も良く、男にも女にもよくモテた
新しい学校で不安だったAの面倒もみてくれて、お陰で友達もすぐにたくさんできたそうだ
Bとは家も近かったことから、登下校も一緒にするようになった
今でも、Bほど素晴らしい人間は見たことがないとAは言っている
Bは一人っ子で、両親と3人で暮らしていて、父親も立派な人物だったそうだ
B父はいつも身なりが良く、長身でBに似たハンサムで、とても格好良かった
声もよく掛けてくれて、どの子供にも優しく接したから、子供たちからも絶大な人気があった
そして近隣や学校でトラブルがあると、介入して必ず
上手く解決させていた
その為、『問題が起きたらB父さんを呼んで来い』という合言葉まであったそうだ
A家族も、B父には良くしてもらった
慣れない土地で早く馴染むように、近所の人たちを紹介してくれたり、色々教えてくれた
お陰で家族も、地域に問題なく溶け込めるようになった
BもB父も人気者で、その土地の有名人だった
ところでB母だが、こちらはよく分からない人だったという
何せ家から滅多に出てこないのだ
専業主婦なのに、買い物にも行かないようだった
B父が仕事帰りにたくさんの買い物をして、帰ってくるのを何度も見たそうだ
近所の人からも、B母は変わった人だと言われていた
休日にBが父親と仲良く出かける姿はよく見たが、いつも母親はいなかったそうだ
※※※
AとBは同じ中学校に進学した
Bは相変わらず優等生で、2年生の時には生徒会副会長と、入っていた運動部では副部長をした
県の全員参加の模試では、学年トップどころか、県内でも常にトップクラスの成績を取っていた
それほど優秀でも、Bは決して驕らず、常に謙虚であった
人はどこで人生が変わるか分からないですよね。
やっぱり、環境が全て。
誰もが絶賛するほど良い人に闇を感じてしまう自分は毒されすぎなんだろうな