消えていく・・・
投稿者:kana (210)
気のせいか、道行く人たちが娘の事をチラチラと見ていく。
「ちょっと迷子センター見に行く??」
「いや、何しに行くんだよ、たまたま着てるモノの特徴が似てるからって関係ないじゃん」
「まぁそうだけど・・・」
「だろ?それを人はヒヤカシと言うんです。さ、早くクルマ行こ!」
ボクらはクルマに乗り、ゲートを出た。出る間際にまたピンポン鳴っていたので、
まだ迷子の知らせがつづいているようだ。だが、それももうボクらには聞こえない。
ピーン ポーン♪
(ま、迷子のお知らせっ!! 水色に!白い水玉のっ・・・キャアアア!!! ブチッ・・・ツー)
・・・ざわざわ ・・・ざわざわ
・・・・・・
10分ほどクルマを走らせ、キレイな花がいっぱいというフラワーガーデンについた。
きれいな花は子供の情操教育にもとても良い。
駐車場から公園に入る手前の歩道で、何やら大勢の大人たちがビラ配りをしている。
なんか鉢巻してるし、プラカードみたいなものも出しているし、めんどくさそうなので
あまりそちらを見ずに通り過ぎようとした。
ところが、その集団の中から「あっ」という声がしたかと思うと、
なぜかこちらをジロジロと見てくる。
(うっわ、係わり合いたくねぇ~)と思いながら娘の手を引いて足早に去ろうとしたら、
一人のおばさんがボクらにくってかかってきた。
「ちょっと、あなた、どういうつもり?ネットかなんか見て煽りに来たの??」
「はぁ??」なにがなんだかちんぷんかんぷんである。
「なんですか?イキナリ呼び止めて!失礼じゃないですか?」
ボクは抗議しながらあらためてその集団を見てみると・・・
それは行方不明になった少女を探すためのビラ配りの集団だった。
「それじゃあ伺いますが、そのカッコウはなんなんですか? 」
「カッコウ??」
おばさんが突き付けた行方不明の少女のビラには顔写真と一緒に、行方不明当時着ていた
洋服のイラストが乗っていた。水色に、白い水玉模様のワンピース。そして麦わら帽子。
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