入場券
投稿者:える (1)
でも…本当に病院は開いてるんだろうか?
あまりの空気感にこんな疑問が頭をよぎった。
近くを彷徨っていると
猿の置物が目印の
落ち葉の積もった神社があった。
ガランとしてた。
猿の置物は不気味な見た目をしていて目がくり抜かれて?いるようにも見えた。
酷い空気感で恐怖に固まっていたら
ほんの数秒前まで充電100パーセントだったスマホの充電が残り10パーセントで赤い表示に変わっていた。
どうして一瞬で10パーになるんだろう?
意味がわからず怖くて身震いした。
Aにそのことを伝えると
何で充電の残量さえ把握してないんだ、しっかりしろって怒られてしまった。
私はまた自分を責めた。
でも自分は悪くない。
だって一瞬で充電が減ったんだから…
でもそんなこと起こるはずない。
きっと悪い夢でも見てるんだ。
帰りはどうしよう?Aは私を置いて1人で車で帰っちゃうかも
この不気味な病院に置き去りにされちゃうかも
夢の中のAは実際のAとはどこか違っていて
妙に冷たくてぶっきらぼうで
話が一方通行で
いつ突き放されてもおかしくなさそうな感じがしてたのだ。
そしたらこの残り10パーの携帯で何が出来る
ー
駅を通過するにはスマホがいる。
そもそも方向音痴の私が充電の切れた携帯を手に見知らぬ土地の最寄り駅にたどり着けるはずがない。
そして忘れてはいけない事実に
診察が終わる頃にはこのスマホは間違いなく使い道にならない。
10ページもあるからどんな大作なのだろうと見て見たら、後半すごい大胆な構成だね。