入場券

もう終わりかもー

じゃあ帰りはお願いねって私。
Aは分かったとだけ言ったけどちゃんと伝わってるのかは定かじゃない。

その場に佇んでいると

病院もうちょっとで閉まる時間だよ
閉まったら置いてくからね
診察できなくていいの？
そう投げやりに言い放たれて
やっとの思いで残り10パーの全く頼りがいのないスマホを手に

心細く歩き始めて地下にある受付へ向かった。
ちゃんとまだ電気がついていて時間的に当然だとは分かりつつも少し安堵した。

受付に着くと
電灯はガランとして辺りは薄暗く照らされていて
他に来客がある気配もなく
なにかパラレルワールドに迷い込んでしまったかのような空気感だった。

病棟の奥はもっと暗かったけれど
入院患者は程々いるみたいだった。

受付に行くと

やたら顔がのっぺりした人？が3人いて
3人とも性別がよく分からなかった。
髪型や髪質を見ると男性のようなんだけれど
話すと女の人のようにも見えた。

その人にお願いしますと診察券と保険証を渡した。
でもその後その人にこう言われた。

あれ？入場券は？と。

私は意味が分からず、
？？？のような反応になった

受付のその人はその反応に対して何故知らないんだ？という反応をして
入場券を持っていないんだったら不正入場が疑われるので隣の受付でもう一度やり直してくださいと弾かれてしまった。