恋する乙女

結奈は言った。
「黙っててごめんね。あの時、あの性格の悪い美希と大好きな晴人が付き合った事、本当はどうしても許せなくて！だから、ネットで殺人幇助のお願いしたの。お金払うから、私の代わりに晴人を殺してくれるようにって。連絡取って段取りしてくれたのは日本人だったけど、実行してくれたのは外人だった。殺した後は処理だけして報酬貰ったらもうサッサと出国したみたいなんだけどね。でね、遺体の処分もあちらがしてくれたんだけど、私、どうしても晴人の形見が欲しくて。でも火葬はできないから骨は難しいのかなと思って、歯と髪の毛をお願いしたの！彼が生きてるうちに抜いて欲しいって伝えて。死んでから抜くより、生きてるうちに抜いたものの方がより彼を感じられるでしょう？
…だから今最高に幸せ！キスが出来ない代わりにたまに彼の歯舐めることもあるしね…(恥)、あとね、髪の毛や歯で持ち歩いてない分は、○○家(結奈の名字)のお墓に埋めたんだ！
私はこのまま一人身を貫いて、いつか晴人と同じお墓に眠るの。てかやばっ！もう恥ずかしい！でもね、今それ考えるだけでほんっと幸せなの。
てゆうかカミングアウト遅れてごめんねー！
当時は警察沙汰にもなってたし、捕まりたくないから黙ってようと思ってた。
でもつい話したくなっちゃうから大学休んだりして喋りたい欲求抑えてたんだよー（笑）やっと話せたよ♪」

本当に、本当にあっけらかんと、悪びれもなく結奈は楽しげに話している。

私は目の前が暗くなった。