武勇伝・武勇伝
投稿者:kana (210)
「逃げてって・・・それ、武勇伝なのか?」 そう言うと
「違うんだよ、話はここからなんだよ」と、武志が続ける。
「しばらくして、もう一回行こうって話になったんだよ」
ただ、彼らは雪辱を晴らすつもりでもう一回チャレンジ・・・したのではなく、
当時クラスでも割といじめられることの多かった英雄を誘い出し、
無理やり心霊スポットに連れて行って怖がらせてやろうと思ったらしい。
もちろん英雄にはその話は内緒にしてだ。
武志、康夫、静香、英雄の四人でクルマに乗って山へ入る。
そのうち三人は幽霊の事を知っているので、車内はもう死んだような雰囲気で
ラジオから流れる音楽がなければ静まり返っていたかもしれない。
途中静香が「ねぇ、やっぱ帰らない?」と、ヒヨリ出した。
・・・いやもう、ここまで来たら引き返せない。
クルマは峠を越えてトンネルを抜けて、例の吊り橋の前までくる。
あたりはだんだん暗くなっていた。
吊り橋の方をクルマのライトが照らす。
「・・・じゃ、英雄・・・この橋を渡ったところに祠があるから、そこに行ってお参りして戻ってくるんだ」懐中電灯を渡しながら武志が言う。
「えっ・・・なんで?」しぶる英雄。
「なんでって、おまえみたいなナヨナヨしたやつに根性つけさせてやるって言ってんだよ」と康夫が言う。
とにかくそう言って無理やりクルマを降ろして、英雄を橋に向かわせた。
武志たちはクルマの中で身構えていた。エンジンはかけっぱなしで、
なんなら康夫のやつは幽霊が出たら英雄を置いてすぐ逃げようなんて言い出している。
「さすがにそれは犯罪だろ」と康夫をなだめて、しばらく様子をうかがう。
すると、橋の真ん中あたりに白い人影みたいなものが見え始めた。
「あっ、出た、出た出た出た・・・」3人は小声になりながら、身をかがめて様子を見る。
英雄は何も気にせず幽霊の方へ歩いて行く。・・・もしかして見えてないのか?
だが、女の霊が欄干によじ登ろうとした時、英雄が幽霊に走り寄っていった。
「な、なにやってんだあいつ・・・」
いじめられていた英雄君、幽霊を成仏した上に器の大きさに心がうたれました。静香ちゃんの謝罪の言葉も、いろんな思いが込められているように思えました。
英雄くん、男としてかっこよすぎです。
英雄くんの行動で成仏できて良かったです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。
この話を投稿した翌日に、橋から飛び降りようとしたブラジル人男性をスマホの翻訳機能を使って助けた、なんてニュースが流れてきました。あるんですよね、こーゆーことって。
そのニュース観ました!kamaさんの投稿と重なってましたね。話は変わりますが、武勇伝のタイトルが某芸人を思い浮かべました。
↑kamaです。ボクはよくあるんです。怪談を書くと紐づいたようなニュースが翌日か、三日くらい後に出る事が。数えるとキリがないくらい。
ところでタイトルですが、最初「武勇伝」にしようかと思ったのですが、そうするとどうせみんなの頭の中に「武勇伝、武勇伝っ」って2回出てくるんだろうなと思い、だったら最初から2回にしとけと。そんな感じで付けました(笑)
武志=ジャイアン
静香=シズカちゃん
康夫=スネ夫
英雄=ドラえもんに頼ってないのび太
【2ch】ハム速報がYoutubeで動画公開しましたね。なかなか感動的でした。
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