話しかけられた
投稿者:ブッフェ (2)
高校生だった時の話です。
もう20年ほど前になります。
名ばかりの漫画研究部に所属し青春を放課後の部室で
漫画をだらだら読むという浪費をしていました。
漫研の蔵書の倉庫になっていた隣の部室を空けろと通達により
急遽真夏の大掃除をすることになりました。
手の空いている人が積まれた雑誌を何日かに分けて
捨てていくだけの作業でしたが作業をだらだらとしていたため
明け渡しの日が近づいても作業は完了していなかった。
明け渡し前日、漫研部全員でとりかかるも
夕方の16時17時と経過するたびに用事があった部員は
先に帰っていく。
そして最後まで残り作業を完了させた19時には
私と友人の二人のみ。
薄情なほかの部員へ悪態をつきつつ、行くタイミングを逃していたトイレへ私は行きたくなる。
「トイレ行きたい」と、私。
「校舎の中はもう入れないね、真っ暗で施錠されてる」
「まじか、ということは・・・。」
体育館近くのいかにもお化けがでそうな屋外トイレしか使えないということだ。
そのトイレに行くと電気がついているもののとにかく暗い。
「先に帰ったら一生恨むから」
「逆に怖くてここから一人で帰るの嫌だよ」
と簡易的な協定を結び、私は女子トイレへ。
扉は掃除用具入れを足して4つ。
暗さと怖さから出入口から一番近いトイレを選び、素早く用と足す。
和式トイレとか勘弁してくれと足で洗浄レバーを踏みつけつつ後ろのドアを
流れるようなスピードで開いた瞬間
「ねえ!ちょっと!」
と呼ばれた。
友人に何かあったのかと思い女子トイレの出入口から出ていきつつ
どうしたの?何かあった?と聞くと
「いや、それはこっちが聞きたいんだけど?
ねえ、ちょっと!ってあなたが言ったんだよね?」
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