あれは神隠しだったのかもしれない
投稿者:ぴ (414)
短編
2023/03/18
16:22
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数十年前、私が学校で働いていたときでした。
仕事を終えて、夜の7時すぎに廊下に出たら、髪の長い女の子が走っていく姿が見えたのです。
もう下校時間はとっくに過ぎているのに子供が校舎に残っているのに驚きました。
そして注意しないといけないと思い、私は追いかけたのです。
とても足の速い子で、なかなか捕まえることができませんでした。
けれど廊下の端っこまで追いかけてきたと思ったら、その子供はぴたりと立ちどまりました。
そしてこっちを振り向いたのです。
女の子の顔を見たときに、私はこれまでにないくらいの鳥肌を立たせました。
だってその女の子の顔一面に目玉がついていたからです。
私が思わぬ姿に悲鳴をあげると、目玉の黒目がぎょろっと動いて、すべてこっちを向きました。
その姿があまりに壮絶すぎて、私はそこから意識を失ったのです。
目が覚めると周りには心配そうな先生たちがいて、私は昨日から丸一日くらい連絡が取れなくなっていたと言われました。
体育館で倒れていたらしいです。
私にはまったく覚えがなくて、何があったのかと聞かれたけど、何も答えられませんでした。
私はあの夜、行方不明になり、そして翌日に見つかりました。
神隠しのような出来事に遭遇し、今もとても不思議な体験だったと思います。
戻ってこれて良かったとひたすら今は安堵しています。
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