かなり気まずかったが、私は窓辺に立つとも子に「あんまり窓側に立たないほうがいいよ、女に見つかるから」と忠告すると、とも子は「あっ」と慌てて窓辺から遠のいた。
「なんでここに?」
「…私、いつも学校に逃げてきてるから」
私はとも子に、校舎を使った逃げるルートについて話した。
とも子は「…なるほど」と納得すると、私は「…一緒に逃げてみる?」と誘った。
もちろん、断られると思ったが、とも子は少し逡巡すると「わかった」と賛同する。
思わず呆気にとられたが、とも子も女から逃げる為には元凶とも言える私の経験を側で見るのが確かな近道だと思ったのかもしれない。
ほとんど会話も無いまま、私たちは三階に向かって、カーテンの隙間から女が来るのを見張る事にした。
時折、女が校門の前を走っているのが見える。
女が校門を素通りするのは決まって私たち以外の獲物を追いかけている場合だったが、遠巻きながら、その私たち以外の犠牲者を見ているだけで吐き気がすごく、とも子は教室のゴミ箱で吐いてた。
これまで私以外の人が居なかったから見る事は無かったが、私も女に捕まると他の犠牲者のように惨たらしく殺されているのかもしれない。
初めて夢の中で見たとも子のように、ズタズタにされているのだろうか。
教室の時計を見ると既に7時間くらいが経過していた。
ありがたい事に人が多いおかげで、誰か一人が粘るだけでここまで時間が稼げるのだと知り、私はこれまでになく逸っていた。
この調子なら半日くらいは逃げ切れるかもしれない。
こんな長い時間逃げれたのは初めてだ。
もしかしたら何か夢の進展があるかもしれない。
そう思った直後、女が校門を超えて校舎に入ってきた。
他の人が全員やられてしまったのかは分からないが、私ととも子は即座に立ち上がり、手筈通り廊下の隅で女の出方を窺う。
『アハハハ』『ペタペタペタ』
女の声と足音は階段下から聞こえた。
「とも子!」
私の掛け声と共に、私ととも子は廊下を直進し廊下の反対側を目指す。
反対側に到着すると階段の踊り場の角に身を隠し、女が現れるのを待つ。
だが今回、女は廊下の先から来なかった。
その代わり、階段下から『アアアアアッ』と声が聞こえる。
女はそのまま三階に上がらず、二階の廊下からこっち側に向かっているようだった。
私たちは再び三階の廊下を走り、反対側に向かう。
こうやって女から距離を取りながら校舎の中をグルグルと逃げ回っていると、三十分くらいの時間が稼げる。
ただ、問題点がある。






















1本の映画をみた満足感!
↑それな 面白かった映像で見たい
カラダ探しっぽい
クッソ怖くて読みごたえがあって面白かった!