事故物件に引っ越した友人
投稿者:take (96)
数年ほど前の話です。
友人Sが引っ越しをして、遊びにこいよと誘われたので、休日に出向きました。
教えられた住所に着いて、11階建ての結構良いマンションなので驚きました。
あいつ、そんなに稼ぎ良かったっけ? と思いつつ、7階だと聞いていたので、
エレベーターで部屋の前まで行きました。
途端、毛穴がざわざわするような嫌な感じがしました。
私は『霊感体質』で、この世ならざる存在に反応してしまうのです。
「よう、入れよ」
Sに招き入れられると、一層その感覚は強くなりました。
部屋全体が暗いような、空気が澱んでいるような、なんともいえない雰囲気です。
しかし、そんな事を言うと、Sの気を悪くしてしまうと思い、黙っていました。
「いい部屋だろ?」
Sが言うので、そうだな、と頷きました。
2DKで、立派なシステムキッチンもついており、トイレも風呂も綺麗で、フローリング床や壁紙もリフォームしたばかりのように新しいのです。
多分家賃10万円はすると思えましたが、その半額以下だというのです。
「それ、なんかあるんじゃないのか?」
尋ねる私に、Sは最初とぼけていましたが、苦笑しつつ白状しました。
前の住人が自殺していました。
玄関から続く廊下とダイニングを隔てるドアのノブにロープをかけて、との事です。
「大丈夫だよ、リフォーム済みだし、ドアも取り替えてあるし……」
Sの言い訳めいた言葉を聞いているうちに、私は徐々に気分が悪くなり、寒気と吐き気に襲われました。
どこからか、ぶつぶつと人の声のようなものも聞こえ始めます。
「悪い、帰るわ」
私は逃げるように部屋を出ました。
「ちょっと待てって」
Sが慌てて追ってきました。
近所のファミレスで飲み物を頼んでやっと落ち着きました。
「悪かったなあ、そんなに怖がるとは思わなくて……」
私は友人たちに『霊感体質』であることは、あまり話していません。
気味悪がられたり、逆に面白がられたりするからです。
供養、お祓いまでしていただける不動産屋さんはあまりないですもんね
残穢が今後も残りそうですね
私も霊感ある方だと思いますが、そのものが見えるというよりは気配とか、感触とかです。できるだけ因縁のある所には近づかないことですね。