認知症
投稿者:ぱどちゃ (1)
短編
2023/03/07
07:22
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父から聞いた話です。
父は寝ると朝まで目が覚めない人ですが、その日は話し声が聞こえたため目が覚めたそうです。
話し声は母の部屋から聞こえてきますが、部屋は真っ暗でおかしいなと思いながら扉を開けたら、真っ白い髪のお婆さんが正座して座っていました。
話し声は、母とそのお婆さんだったようです。
よく見ると近所に住んでいるAさんでした。
認知症で徘徊して実家に侵入したようです。
灯りをつけようとしたら、男の人達に追われてるからつけないでくれって言われたので、暗闇のなか母はお話をしていたそうです。
父は母が話し相手をしてる間に、パジャマのままAさんのご家族を呼びに行きました。ご家族は夜中に父親が訪ねてきたので、驚いてたみたいです。
Aさんは平屋にお一人で住まわれていて、敷地内の別宅に息子夫婦が住んでいるので、外に出たことにも気付いていなかったようです。
家に戻ると風呂場でAさんの足を洗う母。
膝下が泥だらけで、雨でぬかるんでいる畑を歩いてきたんじゃないかということでした。(翌朝、畑へ行くと足跡があった)
その時にはAさんは正気に戻っていて、汚してごめんなさいねと言っていて、ご家族と帰られました。
どうして実家だったのか、という疑問は残りますが、行方不明にならず、うちに来てくれて良かったと思いました。川のほうへ行かなくて良かったなど、両親は思ったそうですが、認知症家族の当事者になったら、もっと恐怖だったなと思いました。
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