夜中の神社
投稿者:南帆世 (1)
私がアイドルグループでアイドルをやっていたときの話です。
アイドルグループと言っても有名でもなんでもない地下アイドルグループで女の子の入れ替わりも定期的にあるようなグループでした。
ある時一人の女の子が加入してきました。
猫目がちで屈託ない笑顔がかわいい子で既存メンバーもみんな可愛がっていた子でした。
私たちは動画配信をしていて、その子の自己紹介と皆でその子の事を聞くコーナーの時にたまに不思議な体験をします、とチラッと言っていたのですが、正直こう言う話をする子は定期的にいるのであまり気にしていませんでした。
あれは夏な夜中でした。
仕事の帰りが遅くなり、マネージャーの車でみんな送ってもらう流れになり、送る場所の近い子の住所から順にカーナビに入力してさあ出発。
その猫目の子の番、送りが始めてだったのでマネージャーもナビだよりで道を進んでいました。
私たちも話が盛り上がっていて外を全く見ておらず、到着場所を確認していませんでした。
はっきり覚えているのですが、いつもは話に花が咲いていると聞こえないナビの『目的地に到着しました』の音がいやにハッキリと頭に入ってきたのです。
一瞬車の中が静まりました。
猫目のこの子の家に到着、その子が車から降りようとして慌てて車の中に戻ってきました。
『ここ家じゃありません!』
よくよく見ると目の前は神社。
いやいやいや住所が間違ってるんじゃない?と言われ再度住所を入れてもらうとナビが道案内のルートを表示、過去履歴を見ても同じ住所で間違っていません。
住所が間違っていないことがわかった瞬間、背筋がゾッとしました。
みんなプチパニック、マネージャーも慌てて車を出してすぐその場を離れました。
私は人生始めての体験に家に帰っても怖くて電気を消せませんでした。
その後、猫目の子は脱退して会うことはなくなりました。
それ以降、不思議な体験はありません。
夜の神社は神様が寝ていて悪いものがいると言われていますが、あの時はいったい何に呼ばれたのでしょうか?
こわいてすね
こわすぎ