プライド高い男を返り討ちにした
投稿者:レイレサ (64)
これは10年以上前に体験した人間不信になりそうな嫌な話に対する報復のような出来事である。
当時の私は年下で少し冷たい感じのする彼氏の和夫(仮名)が居た。
彼の冷たさは最初はとてもクールに見えてしまい、怖さよりは魅力的な人物に見えてしまった。
それが私の不幸の始まりだったのかもしれない。
ただの知り合いだった頃はその少しとっつきにくい雰囲気がミステリアスに映った。
どこか影のある、少し他人と距離を取るのはきっと彼はそういう苦い環境で育ったのだろう・・・恋は盲目とはこういうことかもしれない。
まぁ、当時の私も異性を見る目がなかったのかもしれないが。
ある時に私はそれとなく自分の気持ちを伝えたことで和夫も実は私のことが好きであると知ってしまい、付き合うことになった。
一番仲の良かった友達の長野(仮名)に報告しようと思ったのだが、長野から転職と引っ越しの準備に追われて連絡出来ないかもしれないと言われていたことで、こちらからも連絡は少なくしていた。
もし、この時に長野に報告していたら、痛い目に遭う前に身を引けたかもしれない。
全ては後の祭りであるが。
付き合い始めてから1か月くらいは普通の恋人関係のような感じでちょっと距離感はあったものの、きっと相手はそういうのに慣れてないんだろうと思うことにしていた。
1か月半くらいから気になることが出始めた。
どうも和夫は恋愛に慣れていないのではなくて、意図的にそういう振る舞いをしているようなのだ。
彼の冷たい雰囲気の理由が分かったのはある出来事があってからだ。
ある時に恋愛の話になった。
和夫から「元彼はどういう人だったんだ?」と聞かれたことがあった。
私の元彼は甘やかされて育った人だったので、色々大変な思いをしたことがあり、向こうから別れを切り出されたことで私はフリーの状態だったと伝えた。
すると・・・それまでは黙って聞いていた和夫が少し得意げにこんなことを話しだした。
少し無口な彼が驚くほどの饒舌だったのでびっくりしてしまった。
会話の内容はこんなものだった。
数年前に付き合っていた女性の優子さん(仮名)が居た。
その女性はとても優しくて穏やかだった。
気が少し弱いところもあり、時折ネガティブな部分も見せていたようだ。
優子さんが休日にひとりで買い物に出かけた時のことだった。
彼女の方から「ひとりで買い物に出かけたいから行ってもいい?」と相談された際に和夫は「いいよ、いってらっしゃい」と快くOKを出した。
しかし、いざ当日優子さんがひとりで買い物に出かけた時からメールでネチネチと嫌味の内容を送り続けたらしい。
その件数は十数件ほどだったという。
「俺はひとりで寂しいのに呑気に買い物とはいい身分だな」とか「本当はひとりじゃなくて誰かほかに男がいるんじゃないのか?」などのキツイ言葉をメールに乗せて送り続けたというのだ。
買い物を途中で辞めて優子さんは和夫に会いに行ったが、和夫の態度は冷たかったという。
それからは毎日のようにネチネチと嫌味メールが送られてきたり、その冷たい内容を見ては涙を流していたそうだ。
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