ある村でのお話
投稿者:治部之介 (1)
私は建設関係の仕事をしており、トンネル工事、ダム工事などの現場を管理する仕事をしています。転勤のように工事が終われが次の現場へいくような感じで各県を転々と移動します。工事に入ると長い時には3年短くても1年は工事関係者が集まる寮に宿泊します。
寮と言っても簡単な造りのプレハブのような小屋で、その工事用で設置して取り壊すような造りとなっています。毎回のように、トンネル工事の為ある村に行ったときの事です。
宿泊の施設設置場所がなかなかないなか地元の建設会社の協力のもと、その建設会社が所有するプレハブをお借りし宿泊施設に改装して使用する事になりました。そのプレハブは大きなダムの上に設置しており周辺には民家などない場所で車もそんなに通らない静かな場所でした。
二階建てで一人1部屋で15人程住んでいたのですが、みんな就寝したであろう夜中の1時くらいになると廊下の足音がよく聞こえていました。最初は、誰かトイレに行っているのかなという感じであまり気にしなかったのすが、1週間位たつと同じ時間に廊下を走り回る音が聞こえてきました。
よく聞いてみると足の音が小刻みでどう考えても子供が走っているような歩幅の音でした。気のせいかなと思いいつも通り朝食を食べていると近くで食べていた人が、「昨日子供が廊下を走っていましたけど誰か子供がいるんですかね」と聞いてきました。
私は昨日の事を思い出しびっくりして私も聞いていた事を話したのですが、その夜からどんどんひどくなるような感じで子供の歌が聞こえたり笑い声が聞いたり、私の部屋をノックしたりと怖くなり、
宿泊所を紹介してくれた建設会社の方に相談したら「一度霊を見る方に相談したのですが、宿泊施設の下のダム工事で亡くなった方がいまして、そのお子さんも事故で亡くなったみたいなんですがそのお子さんがお父さんを探しにきていると言われまして
前回の業者の方達も夜中うるさくて寝れないと言われたのですよ」と言われました。
私は、その後怖くなり宿泊所を移動しました。
怖いと言うより可哀想な話でした。