夏合宿の夜
投稿者:take (96)
妹が高校1年生の時の話です。
吹奏楽部に所属していて、夏合宿は3泊4日で、
山の中にある、お洒落な貸別荘のようなところだったそうです。
妹は初めての泊まりがけの合宿に、わくわくしつつ参加しました。
毎日の練習メニューをこなし、あっという間に最終日を迎えました。
その夜、恒例のレクリエーションで『肝試し』が行われました。
雑木林の小道を進み、チェックポイントに置いてある目印を取ってくる、5分程度のミッションです。
道中とチェックポイントには顧問の先生が安全のために待機していましたが、明かりはなく、不気味だったそうです。
妹は同級生と先輩の3人1組で出発しました。
すぐに他の2人が
「なんか足音みたいなの聞こえません?」
「うん、草がガサガサ鳴って誰かがついてきてるみたい」
と言い出しました。
「そっすかー? 私には聞こえませんけど……風じゃないですか」
妹は首を傾げました。
「何言ってんの、妹ちゃん、ほらあれ」
「ああ、先生が驚かそうとしてるんだよ」
「妹……アンタ強いねえ」
チェックポイントにいる先生に訴えましたが、
「怖いと思うからそんなもんが聞こえるんだ」
と笑って相手にしてくれません。
怯える2人を妹が先導して、無事にゴールしました。
よかったー、妹ちゃんスゴイ、と抱きついてくる2人に、
「大丈夫ですよ」と言いつつ、
内心『ヤバかったー』と冷や汗ものだったそうです。
出発してすぐ、小道の側の雑木林を並行する人影に気づきました。
『霊感体質』の妹にはそれが邪な男の霊であることがわかっていましたが、
霊感のない2人にまで物音を聞かせるあたり、タチが悪いのでしょう。
なので妹は徹底的に無視しました、なんせ相手は全裸だったそうです。
ゴール間際、
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。