叔母さん家のマリちゃん
投稿者:ぴ (414)
私の叔母さんはすごくお金持ちの家に嫁ぎました。
だからたまにそこに遊びに行ったときは、おいしいお菓子やおいしいジュースを出してもらって、良くしてもらったのです。
また叔母さん家に行くと、いつも「マリちゃん」という子が遊んでくれました。
私はこの面倒見がいいマリちゃんのことが大好きだったし、ずっと叔母さんの子供だと勘違いしていました。
あるとき、マリちゃんと約束したのです。
次の誕生日に家に遊びに来てくれるようにお願いされました。
だから私はその日が来ると両親におねだりして、叔母さん家に遊びに行ったのです。
誕生日というくらいなので、叔母さんがおいしい料理を作って、大きなケーキが食べられると思っていました。
なのに、その日はバースデーのお祝いらしきことは何もせず特に何も出てこず、さらにはマリちゃんにも会えませんでした。
私が叔母さんに「今日はマリちゃんの誕生日だよ」と伝えました。
もしかして忘れているんじゃないかと思ったからです。
だけどそのときに叔母さんに「マリちゃんって誰?」と聞かれたのです。
私はこれまでよく遊んでくれたマリちゃんの話をしてみたけど、叔母さんはぜんぜん思い当たらないようでした。
そこで初めてマリちゃんが叔母さんの子供じゃないことを知ったのです。
小さいときによく会っていた叔母さん家のマリちゃんが誰だったか今も判明していません。
あれ以来、マリちゃんは私の前に姿を現さなくなりました。
ただ私はマリちゃんの誕生日を今も覚えています。
どこの誰なのか分からないけど、ずっと遊んでくれたいいお姉ちゃんみたいな存在でした。
だから私はマリちゃんの誕生日には密かにケーキを用意して、お祝いしています。
叔母さんは私の話を気味悪そうに聞いていましたが、私はなんとなくマリちゃんは家を守っているいい存在だと思っています。
座敷童子ですかね?