動物園の奇妙なモノ
投稿者:ぴ (414)
子供の頃いった動物園で、私は奇妙なモノを見たことがあります。
お猿さんがいる小屋の奥に、変なものがいるのを見ました。
見た目がモップみたいな毛に覆われた、見たことがない動物なのです。
そこにあった何かをガツガツと貪り食うような音がずっと聞こえました。
私は純粋にそれが何か知りたくて、隣にいた父に「あれ何?」としきりに聞きました。
でも父は「お猿さんだよ」というだけで、その奥にいるもののことを教えてくれないのです。
「おさるさんじゃない後ろの!」と私が聞いても、父はそれが見えないみたいでした。
父と母だけではなく、兄弟も私が見ているものに反応しないのです。
あまりにおかしいので、動物図鑑で後で調べてみたけど、最後までそれが何かは分からなかったです。
それから数十年経って、私は家族ができました。
子供を連れて懐かしのあの動物園に行ったのです。
お猿さんがいるコーナーで思い出しました。
再び探してみたけど、幼い頃見たそれは見当たりませんでした。
やっぱり気のせいだったかと思っていたのですが、動物園をキャッキャッ言って楽しんでいた子供が指さしたのです。
「お母さんあれは~?」と聞かれて、私は「お猿さんだよ」と言いました。
そこには何匹かで楽しそうに遊ぶ子ザルがいたのです。
そしたら子供が「違うよ、あれだよ」と言います。
夫は「だから子供の子猿さんだよ」と言いました。
でも子供は「もっとボサボサのやつだよ」と不満そうにしていました。
ハッとした私は、後で、車で詳しい話を息子に聞いてみました。
そしたらやっぱり息子が見ていたものは私が幼い頃に見たモップみたいな毛の奇妙な動物と同じものでした。
これを聞いて、やっぱりあそこには何かいると確信したのです。
そしてあれは子供じゃないと見えないモノなんだと思いました。
子供を近づけたら危ないかもしれないので、しばらくはあの動物園には連れて行かないでおこうと思います。
あれが食べていたものは私には肉の塊に見えたのです。
もしかしたらこの園のお猿さんは気づかぬ内に減っているかもしれません。
実にファンタジーなストーリーですね。