青白い顔の郵便屋さん
投稿者:ぴ (414)
ただ奥さん本人に、救急車で運ばれる前に変な手紙をもらったと聞いた人がいました。
郵便さんが持ってきた手紙をもらったんだそうです。
そしてそれを読んだ直後に旦那さんは倒れて意識を失ったらしいです。
その手紙に何が書いてあったかまでは分かりません。
奥さんもきっとそれどころではなかったのでしょう。
手紙を読んだのは旦那さんだけだったらしいです。
そしてその手紙はいつの間にか部屋から消えていたと聞きました。
旦那さんが亡くなってからは、しばらく奥さんは家に帰らず実家に戻ったみたいでした。
そうしてそのまま部屋を出ていきました。
だから奥さんに再び会うことはできなかった私はいろいろと確認したかったことも確認できず終いでした。
このため、その手紙が茶封筒で、あて先がないあの手紙と同じものだったかどうかまではきちんと知ることはできませんでした。
でもあのタイミングだったら、私の部屋を後にした郵便さんが隣の家に封筒をもって訪ねていった可能性はあると思いました。
そのくらいの時間はあったと思うのです。
今から考えても、あの郵便屋さんはおかしなところがたくさんありました。
いつもは明るく挨拶などをしてくれるのに、全然愛想がなく唐突に封筒を手渡そうとする強引さがありました。
また特にサインを求めることもなく、封筒を手渡そうとしたところも変です。
それなら普通ポストに投函しておけばいいだけなのです。
それなのにあの日わざわざチャイムを押して、家に訪ねてきたのも変でした。
あと個人的におかしいと思ったのは、郵便屋さんに感情の起伏が見えなかったところです。
あんなに雨が降っていたのに、そのあたりには全く触れず、顔色一つ変えずとても淡々としていました。
そこもこれまでの郵便屋さんとはなんだか違う感じがしました。
それからもう一つおかしかったのが、その日郵便屋さんが2回来たことです。
雨が上がってきて、近くのコンビニに行こうとしたときに、私はポストに郵便物を投函している郵便屋さんに再び会ったのです。
その人は顔色も悪くなければ、感じよく挨拶もしてくれました。
あ、これが本物だと思ったのでした。
私がもしあの宛先のない郵便物を素直に受け取っていたら…そして隣人さんと同じようにもしその中身をすぐに読んでいたら、もしかしたら救急車で運ばれていたのは私だったかもしれないと思っています。
そして命を落としたのも隣人ではなく、私だった可能性は十分にあると思うのです。
あの手紙が私に間違えて送られてきたのか、はたまた私がもらうのを渋ったせいで隣人のほうに渡ってしまったのかは最後まで迷宮入りになりました。
だけど、どちらだったとしてもあれをもらっていたらただでは済まなかったと思います。
実はあれから一度だけ、ポストに茶封筒が入っていたことがありました。
郵便局に確かめたのでしょうか?
郵便局員で無い可能性が高いのでは?