窓の外からコンコンコン

昔私が従妹の家に遊びに行ったときの話です。

県外の従妹の家にお邪魔して、従妹夫婦の新築祝いをしました。

私はもともとお酒が弱くてぜんぜん飲めなかったですが、従妹夫婦はべろべろに酔っぱらって、そして泊まりに来た私を尻目に二人ともさっさと寝てしまいました。

困り果てながら私も用意してあったお布団で眠ったのですが、その朝方早くに窓の外から「コンコンコン」と鳴ったのです。

使っていた寝室は2階で、人が外から窓を叩けるような場所ではありませんでした。

なのにしつこいくらいに「コンコンコン」という音がして、寝ぼけ眼を一生懸命開いて、私は窓のカーテンをシャーっと開いたのです。

そしたら窓の外に人がいて、こっちを見てにまーっと笑いました。

ほんの数秒だったと思います。

私がぼけっとそれを見ていたらその人は朝日に溶け込むような感じです～っと消えていきました。

窓の外にいたのは30代くらいのパーマをした見覚えのない女性でした。

その後窓の外の足場を確認したけど、当然のように足場はなく、そこは人がよじ登ってこれるような場所でもありませんでした。

その後すぐに酔っ払った二人を叩き起こして聞いたけど、窓の外からノックなんてできるわけがないと笑われてしまいました。

その日は寝ぼけていたということで、自分なりに納得することにしたのです。

お酒は飲んでいないので酔っぱらってはなかったけど、寝ぼけて夢だった可能性はあります。

でも後日従妹が心霊写真を送ってきました。

家で飲み会したときに偶然スマホカメラに写ってしまったという写真でした。

私はその写真を見て、体温が一気に下がったのです。

だってあの日窓の外にいたパーマの女性とまったく同じ人がその写真に写っていたからでした。

従妹はぜんぜん気にするそぶりなく、あの家に住み続けています。

私だったら絶対にその家に住めないなぁと思ってしまいます。