名所
投稿者:アズーリ (1)
短編
2022/12/08
01:04
1,263view
私は星を見るのが好きで、その日も当時の彼と夜山に星を見に行きました。
冬の夜空はとても星がきれいに見えましたが、冷えて来たのでそろそろ帰ろうとなりました。
帰り道は自殺の名所の橋を通らなくてはならず、怖いので他の道はないかと探したのですが結局その道しかないとのことで仕方なく橋に向かいました。
橋に近づくと車が一台停まっていたので、誰かいると思い少し安心してそのまま橋を渡り停まっている車に近づいたときです。
ライトはついているけど人が乗っていない。
この時点で、私たちは違和感を感じました。
さらに車の横を過ぎると、橋の欄干には3段ほどの脚立と靴が置いてありました。
なんとその車は自殺者の車だったのです。
私たちはすぐ道の脇に車を停め、警察に電話をしました。
山道ということと管轄がすぐ近くの警察ではないとのことで、到着まで時間がかかるとのこと。
警察を待っている間、二人では怖すぎるので、通りがかった車を停め事情を話し一緒に待ってもらうことにしました。
いきなり冬の山道で停めてしまったカップルの方は、嫌な顔せず寒空の下警察の到着を待ってくれました。
翌日警察の方から、遺体が見つかったと連絡がありました。
最初は怖かったのですが、少し切ないというか、やるせない気持ちになったのを今でも覚えています。
それ以来夜の山には極力行かないようにしています。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 11票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。