娘の言葉
投稿者:ラーメン屋 (23)
ある日5歳の娘とショッピングに行った。
エレベーターを待っていると、娘が突然
『今から1分経ったら、お父さんは3階にいるよ!』
と言った。確かに行く階は3階である。
前に乗ったときにエレベーターが楽しかったんだろう。
そんな好奇心旺盛な娘を見て、僕は温かい気持ちになった。
別の日、前回のように娘とエレベーターを待っていると、
『今から10秒経ったら、お父さんは3階にいるよ!』
と娘が言った。しかし、残念ながら今日は5階である。
3階には行かないよ、と娘に話した。
しかし、結果的には10秒後、僕は3階にいた。
3階にいた人がボタンを押し、
5階に行く途中でエレベーターが3階で止まったのだ。
それには少し驚き、思わず娘に「すごいね!」と言ってしまった。
まぁ偶然だろうと思いながら、買い物を終わらせた。
買い物の帰りに、祖母の墓へ墓参りに行った。
墓掃除を終わらせて帰ろうとしたとき、娘に
『今から一週間経ったら、お父さんは地下1階にいるよ!』
と言われた。ここの墓地には地下なんてない。
やっぱり今日のはたまたまだったのかと思い、
深く考えることもなく帰路に着いた。
次の日、仕事が終わって家に帰る途中、
信号を待っていると僕のところに車が突っ込んできた。
居眠り運転と見られる車に撥ねられた僕は、
そのまま病院に運ばれた。
応急措置を受けたが、意識は戻らずに死亡した。
僕は結局、娘の言っていたことが分からないままこの世を去った。
それからすぐに葬式が行われ、僕は墓に眠った。
僕の墓は、この間墓参りに行ったところ、
「娘に地下一階にいると言われたところ」にできていた。
ご冥福をお祈りします。
果たして納得して成仏しただろうか?
『今から一週間経ったら、お父さんは地下1階にいるよ!』
で終わったらモアベター
こうなるとは、思いませんでした