何度も出会う老婆
投稿者:take (96)
短編
2022/11/26
19:21
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私は職場まで片道30分の自転車通勤をしています。
その日は残業で遅くなり、会社を出たのは零時過ぎでした。
一刻も早く帰宅したかったので、人通りが少なくて街灯もほとんどない薄暗い道が続く、神社や寂れた公園を通る近道ルートで帰ることにしました。
しばらく走ると、前方にシルバーカーを押しながらゆっくりと歩いているお婆さんがいます。
その後ろ姿は腰がかなり曲がっていて結構な高齢に見えました。
こんな時間に変だな、と思いつつ追い抜きました。しばらく走って、神社に差し掛かります。
広い境内を走っていると、また先ほどと同じようなシルバーカーを押して歩いているお婆さんがいました。
なるべく視界に入れないように反対側に視線を向けながら追い抜きました。
神社を出てしばらく走ると次は公園です。途中まで走ってドキリとしました。
ベンチにお婆さんが座っているのです。シルバーカーに手をかけてうつむいていましたが、服装などから先ほどのお婆さんだとわかりました。
できるかぎりベンチから離れて全力で走り抜けました。
このまま帰るとお婆さんが家までついてきそうに思えたので、駅前の人通りが多いところを回り道して帰宅しました。
あれはなんだったのでしょうか……それからそのルートは二度と走っていません。
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困ったBBAですね。