そこを通ると神隠しに遭う
投稿者:湊 (22)
子どもの頃に住んでいた地域でこんな都市伝説がありました。それは、ある家の前を通ると神隠しに遭うという話です。
ある家というのはかなり前から空き家になっており、年々、ボロボロに朽ちてきている家でした。持ち主は分かりません。私はまだ子どもだったので詳しい事情は知らなかったのですが、どうやらその空き家で自殺した人が居るということでした。そういった話から怖い伝説になっていったのかもしれません。
ある時、学校の帰りに数名の友達がみんなでその家の前を試しに通ってみようと、肝試し的なことを言い出したことがあります。私は伝説を信じていたので怖くて断りました。一人で家に帰ってしまったのです。
ところが、翌日、その時の友達の一人が登校してきませんでした。お休みの連絡も入っていません。他の子たちは「昨日あの家の前を通ったから神隠しに遭ったんだ!」と騒ぎ始めました。担任がその子の家に電話をしても誰も出ないそうです。何があったのだろうと私も怖くなりました。結局、その日の学校が終わる時間まで何の連絡もなかったのです。
翌日もその次の日もその子は学校に来ませんでした。肝試し的なことをした子たちはかなり怯えていたのですが、ようやく担任が「連絡がとれた!」と言ってきたら、単純に田舎で不幸があり急遽家族みんなで里帰りしたということでした。連絡をする時間がなかったそうです。
神隠しではなくて良かったと子ども心に思ったことを覚えていますが、あの家の前を通ったから不幸があったのかなと思うと少し怖かったりします。
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