大切なもの
投稿者:遺品整理士 (2)
長編
2021/02/24
00:05
8,380view
結局、阿修羅像のような悪霊、その本体がどこに取り憑いていたのか分からず終い。どこか遺品整理の現場で縁を結んだか、それとも遺品のどれかに憑いていたか?
最近、遺品をよく盗むAの元気がない。青い顔をして体調悪そうにしている。やはり人の遺品などネコババするものではない。死人がこの世に残した大切なものには、私たちには想像も付かないような重たい思いがこもっている。親が子を思う指輪ですら、供養できないほど強い念が込められているのだから。例えば、子を酷い目に合わされた女性の遺品ならば?それはどれほど強い怨念になるだろうか?誰かの遺品を見るたびにそれを考える。日々、想像は尽きない。
前のページ
3/3
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 30票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。