Private: 赤いセダン
投稿者:ねこじろう (147)
しばらく真っ直ぐ走り続けて、ようやく次の交差点の信号が見えてきた時、おかしことに気付いた。
─あの赤のセダン、いったいどこに行ったんだ?
次の交差点までにかかった時間は約3分。
途中は左手に岩肌が迫り、道路を挟み右手にはガードレールが隙間なく続いていて、曲がるところなど一ヶ所もなかった。
路肩らしきところも、、、
ぞくりと背中を冷たいものが突き抜けた。
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そろそろ山道を抜けるかというとき、Hがトイレに行きたいと言い出したので途中コンビニに立ち寄った。
黄色と赤の看板のローカル色満載のコンビニ。
駐車場には一台、軽トラが停まっている。
店先に生花と野菜が置いてあるところが何処か田舎くささを感じさせる。
店内はがらんとしていた。
Hが店内奥のトイレに行っている間、俺は陳列棚の間を何気に歩いていた。
賞味期限切れの食材なんかもあったりして、密かに苦笑する。
ふと見ると、レジ向こうの壁に貼り紙がしてある。
画用紙くらいのサイズで、あちこち破れたりシミがあったりして、かなり前のもののようだ。
レジ前のワゴンに山積みされた値引き商品を見るふりをしながら、その貼り紙の内容を見る。
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【人を探しています!】
平成元年12月○日、F市の町立○○小学校の5年生の女子5人が、この近くの山林で山菜採りをしている最中に消息を断ちました。
5人の写真と名前は下の通りです。
心当たりのある方は、末尾記載電話番号にご一報ください。
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画用紙下に貼ってある5枚のセピア色の写真を見た瞬間、ハッと息を飲んだ。
─あれは、確かさっきの、、、
すると俺の視線に気付いたのか、レジ後ろに立つ年配の店主が言った。
「あ、これですか?
もう随分前の話ですよ。
いい加減に剥がさないといけないのですが、子供たちの親たちが今もこっちに来るんですよ。
皆さん結構もう良いお年なんですがね。
未だに何か変わったことがないか?って。
もう何十年も経っているというのにね。
だから中々捨てられずにいるんですわ」
カーブを左折が気になって