ご近所さんのお葬式の夜に‥‥
投稿者:おおタク (1)
今から16年程前、当時私は20歳の専門学校生でした。
ある週末の事、普段独り暮らしをしていた私はその日たまたま地元の友人と会う事になり、その夜は実家に泊まる事にしました。そして、いつも通り実家の一室で寝床についた所、とても不思議な体験をしたのです。
それは深夜に私が熟睡していた所、突然目の前が眩しい光に包まれ、何かと思い目を覚ました私は、生まれて初めて金縛りというものを経験しました。しかし、それだけではなかったのです。
なぜか、私の目の前に突然顔の輪郭のようなものがうっすらと映り始め、それがだんだん濃くはっきりと映り出されたのです。私は驚き、人の顔だと瞬時に察した為、もし幽霊を見てしまったら一生トラウマになると思い、とっさに目を瞑って時が過ぎるのを待つ事にしました。
しかし、今度は仰向けに寝ているはずの私の背後から誰かが力いっぱい私を羽交い締めにし、私が苦しさのあまり必死にもがいていると、とても興奮した声色で年配ぐらいの女性の声が私に話しかけてきました。そして、「○○さんが○○であの家は○○で!!!」という感じに誰かをとても羨み妬む様子がその女性の手から私の肌にダイレクトに伝わってきました。
その後暫くして女性はいなくなり、金縛りが溶けた私は当時秋であったにも関わらず、汗だくになりながら部屋の電気をつけました。その時の時刻は丁度時計が朝4時を回っていました。
翌日、私が母親に夕べの出来事を興奮しながら話すと、母親が瞬時に動きを止め、「えっ!」ととても驚いていました。
母親の話しによると、私が金縛りにあったその日の昼にご近所でお葬式があり、母親も葬儀に参列していたとの事でした。そして、普段なら必ず葬儀後に家の玄関に塩を巻くはずの母が、なぜかその日は塩を巻かなかったそうです。
亡くなられたご近所の年配女性の方は、私も普段挨拶をした事がある女性でしたが、母親の話しによると、晩年がんを患い、闘病生活を送られていたそうです。
葬儀が行われた夜、あの世へ旅立つ前に誰かに話を聞いてもらいたいという一心から、光栄にも私を選んで下さったのかなと感じつつ、あの世ではもう苦しむ事なく元気に過ごされていると良いなと私は心からご冥福をお祈りしました。
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