脱衣所の通り道
投稿者:Tamasieben (1)
これは、幼いころ実家で体験したお話です。
私の家は当時で築15年くらいでど田舎の山奥にありました。3人兄弟で兄、私、弟と父、母、祖母で住んでいました。父と母は酪農家ということもあり帰宅は19時を過ぎることが多くありました。なので私たち兄弟と祖母で夕飯を済ませ、お風呂も順番に入っていました。幼いころは、兄弟みんなでお風呂に入ることもありましたが、成長とともにそんなことも無くなりました。
我が家の脱衣所はアコーディオンカーテンで仕切られているのですが、私が入浴中でもお構いなしに洗面台を使いに入ってくる兄に腹を立てていました。何度か入浴中は入らないよう注意していました。洗面台の明かりを付けたままお風呂場にいたためすりガラス越しに人影が見えたのです。
ある日もいつものように注意していました。ですがその日は入っていないというのです。他の家族にも確認しましたが皆同様に入っていないというのです。中学生で反抗期真っ只中の私は、誰かが嘘をついているとしか思えなかったのです。
私は高校進学とともに下宿に入るため家を出ました。高校も卒業して専門学校に進学し、実家に帰省したある日兄と昔の話をしていました。そんな中脱衣所の話にもなりました。「そういえば、この間いつも来てくれている神主さんが脱衣所お祓いしてくれたよ」
予想外の話でした。どうやら話によるとそこは霊道になっていたようです。兄も昔何度も人の影を見ていたそうです。
今思えば、物音が大きい私の家族のわりに開け閉めする音が聞こえなかったことを思い出しました。当時脱衣所付近になんとなく怖い感じはありましたが水回りは怖いものとして自分を納得させていました。
今も実家は同じところにありますが、帰省してお風呂に入っても人影が通ることはなくなりました。
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