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心霊

四川獅門さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

エレベーター
短編 2021/02/21 22:49 6,078view
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2019年 大阪府 某所

オフィスビルで事務をしている佐藤さんは、その日もいつも通り会社に向かった。

ビルのエレベーターに乗り、自分の職場である4階のボタンを押す。
扉が閉まり、インジケーターのランプが点灯する。

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何故か止まらない。
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ついにインジケーターはどの階にも点灯しなくなった。
困った佐藤さんは開閉ボタンを押したり、4階を指定するボタンを連打した。

すると、ウーンと音を立てて、エレベーターのドアが開いた。
そこは真っ暗なフロアだった。
まるで冷凍庫を開けたような、冷たい空気がエレベーターを満たす。
消毒液のような匂いが鼻をついた。

怖くなった佐藤さんは、再びボタンを押すが、エレベーターは反応しない。

目の前の暗闇を、エレベーターの薄明かりがぼんやり照らし出す。
暗闇に目が慣れてきた佐藤さんは、見てしまった。

目の前に広がる空間に、左右に2床ずつ、白いベッドが置かれている。

病室だ。

右奥のベッドは、天井から吊られたカーテンに半分覆われている。
そこから音が聞こえる。

キキッ…キキッ…キキッ…

カーテンの影からボサボサの白髪頭がぬっと出てきた。
患者着の老婆がフラフラと点滴台を引いて、こちらに向かってくる。
点滴台のタイヤが、真っ暗なフロアに嫌な金属音を響かせる。

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