ナースコール
投稿者:Exodus_鶴 (1)
病院に看護助手として勤めていた時の体験です。
勤め始めて一か月、初めての夜勤でした。
昼間の病棟とは雰囲気が違い、間接照明のみの長い廊下がとても不気味に見えた事を覚えています。
しかし初めての業務は覚える事も多く恐怖など忘れ、何度目かの各病室を巡回する業務を終えてナースステーションへ報告に戻って来た時、ナースコールが鳴りました。
そこは四人部屋で、特に何も考えずいつも通り病室とベットの番号を確認し、病室へ伺いハッとしました。
(ここ今ベット空いてるじゃん・・・)
誰も居ないベットの頭上で小さな呼び出しランプがオレンジ色に光っていて、誰かがこのベット傍のナースコールを押した筈なんです。
一瞬で怖くなり冷汗がでました、それでも、もしかしたら誰か他の患者様がベットを抜け出して押した可能性もあるし、と自分に言い聞かせ、その病室内のベットを異常がないか見て回り、他の患者様が入眠中であることを確認し早歩きでナースステーションに戻りました。
ナースステーションは明るく、看護師さんと介護助手の先輩が談笑しながら仕事をしていてほっとした瞬間、また同じベットからナースコールが鳴りました。
怖い、でも万が一誰かが押してたら・・・。
ここは新入りの自分が積極的に行かなくてはと思い、震えながら「行ってきます」と言って速足で病室へ向かい、また誰も居ないことを確認して。
帰りは最早走っていたと思います。
ナースステーションに戻り「誰も居ませんでした、故障ですかね~?」とこれ以上怖くないようわざと明るく言った瞬間、また同じ部屋からナースコール鳴ったんです、もう怖くて見に行けない、と顔に出ていたと思います。
すると看護師さんがナースコールの音を止めて言いました。
「行かなくていいわよ。」と。
「ああゆうのはね、相手にするからいけないの」
「死んだ事に気付かない人いっぱい居るから」
その後、その部屋からのナースコールは止まりました。
パイセンは合理的。