「なんとなく」で助かった、私の父の不思議な体験
投稿者:ドキドキシロップ (2)
これは私の父が体験した、奇跡的に助かった不思議な出来事です。
私の父は公的機関の建設会社の現場監督をしていました。朝早くに出て夜遅くに帰ってくるのがいつもの事でした。毎日仕事漬けの父が楽しみにしていた趣味が、たまに有給を使って母と温泉旅行に行くことでした。
そんなある日のことです。いつもなら現場は忙しいのに、その日に限って早く終わり、現場監督だった父も早々に帰宅しようとしていました。職場から出る前に母に連絡を入れ、次の日以降に休日をもらったから東北のほうへ温泉旅行に行こうと誘いました。それを聞いた母は宿を予約したそうです。
職場を出て、ゆっくり帰るつもりでいつもは使わない一般道を通って行くと、「特に理由はなかった」のだけども「急に温泉に行かなくてもいいんじゃないか?」と思って、駐車場が広めのコンビニに車を停めました。お昼を過ぎていたのもあって他に車は停まっていませんでした。
そこで父は母に「やっぱり行くのやめておく。悪いけど予約を取り消してくれ。」と連絡を入れました。その代わり、家のお風呂でのんびりと浸かっていたいのでお風呂を沸かしておいてくれとも言いました。
それを聞いた母は、「宿にキャンセルを入れる前にお風呂掃除もしておこう」とリビングにある電話をスルーして、さっさとお風呂場へ向かいました。
父も連絡を終えるとコンビニにゴミを捨てに行って、改めて車に乗ってエンジンをかけようとしたその時、携帯電話から「緊急地震速報」の警報音が鳴り出したのです。エンジンをかける直前だったのでそのまま揺れが来るまで待っていると、地面を突き上げるような大きな揺れがやってきてしばらくそれが続きました。
そこのコンビニの周辺には高いものもなければ柱のような看板もなかったので、車の上から何かが落ちてくるということはありませんでした。もし高速道路を走っていたら、揺れを倍に感じていて冷静ではいられなかったと話していました。
家にいた母も同様にその揺れを経験していました。電話がおいてある所には棚が置かれており、そこから物が落ちてきていました。そこにいたら怪我をしていたかもしれませんが、幸い、お風呂場にいたおかげもあってか無傷でした。それに掃除をしていたのでガスも使ってはいなかったのも幸いしました。
そこからがもう大変で、父は帰り道で運良く信号は機能していたのですが、家の周辺は停電が続いていて電気が使えない状態に。
しかし最も幸いしたのが、現場で使うはずだった大きな懐中電灯が三つ、電池を取り替えたばかりのラジオも車に積まれていたので、我が家は灯りを確保できたのでした。
父親の「なんとなく」が二人を救う結果となり、その地震の数日は無事に過ごせたそうです。
父は今では定年退職をして、昼からビールを飲みながら好きな洋画を見て過ごしています。
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