黒い影
投稿者:YummyPie (1)
これは、私の何年も前の体験談です。
娘がまだ2、3歳の頃のことだと記憶しています。
親子4人、いつも一緒に隣で寝ている我が家。
まだ時々、娘は泣いて夜中に目覚めたり、ムクッと起き上がったと思ったら、コテンと寝たり、寝相が悪すぎて朝には隣にいなかったり、そんな状態の毎日でした。
そんなことを隣で繰り広げているので、夜起こされることはしょっちゅうでしたが、娘が起きてしまったら、頑張って自分も起き上がっていました。そして、眠気と戦いながら娘をまた寝かしつけて、自分もまた眠る、ということを繰り返していました。
ある日、夜中に目が覚めて、ふと目をやると、娘がまた起きていました。
電気は完全に消していますが、うっすら影があるので、ちゃんと娘だと分かります。
また起こされた〜っと思いつつ、また私も起き上がりました。娘はちょこんと布団に座ったままなので、「どうしたの〜?」と頭をナデナデしようと手を伸ばすと、そこには誰もいませんでした。
眠気はあろうとも、もちろん私の意識は、はっきりとしています。黒い影のサイズ感からしても、絶対に娘だと確信を持って影へ手を伸ばしたのですが、一体何だったのか分かりません。
あれっ⁉と思ったときには、影はなくなっていました。
そして、娘を確認すると、スヤスヤと隣で寝ていました。
ホラー映画や怪奇現象が苦手な私ですが、なぜかその現象に対して恐怖心はなく、ただ、だだ不思議でした。
娘はもう小学校高学年になりましたが、あれ以来、黒い影は一度も見ていません。
「座敷わらし」という言葉もよぎりましたが、我が家にいるわけもないだろうし、黒い影だけだったけど、でも、そうだったのかも、なんて今は少し思ってしまいます。
謎すぎる現象なのに、自分に一切恐怖心がなかったのも不思議なので、悪いものではなかったと思うようにしています。
あのとき、頭を撫でようとせず、影が動くまでずっと見守っていたら、どうなっていたのだろうと思います。
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