ありえない
投稿者:えむえむたろー (1)
私は腕時計の修理を行う会社に勤めており、この話は受付でお客様を相手にしている時に起こった出来事です。
あるメーカーの充電式の腕時計が、今まで使えていたのに充電しても動かなくなったと、相談に来られたお客様がいました。
充電器も一緒にお持ちになられており、その腕時計は充電器に乗せて充電が出来ていれば、文字盤に付いているランプが点灯する仕組みになっているのですが、お持ちになられた腕時計は充電器に乗せてもランプが点灯せず、充電ができていない状況でした。
充電器側にもランプが付いており、しっかりと点灯していたので、充電器側の問題ではなく腕時計本体の問題だと予想されたので、いつも通りお客様に修理に関してある程度の修理方針などのご案内をし、まずはメーカーに出して見積りを取ることで受付を進めることになりました。
お持ちになられた腕時計は、今から10年以上前に購入された物のようで、外観からもそれなりに使い込まれた様子が伺うことができ、使用傷や汚れ・金属の変色を起こしていました。
伝票に必要事項を全て記入して頂き、最終確認のため改めて伝票に書いて頂いた内容の確認をし、最後に腕時計のお預かりする前の傷などの状態確認を行おうとした時に恐ろしいことが起きました。
誰が見ても明らかな使用傷や汚れが付いているにも関わらず、お客様は『全く使っていない時計だから傷なんか付いていない、そんな言いがかりをつけないでくれ』と仰られました。
私は、一瞬フリーズしてしまいました。何かの聞き間違いだと思い、もう一度お客様に腕時計の傷や汚れなどの確認を求めましたが、やはり返ってくるのは同じ言葉のみ。
私は、得体の知れない恐怖に襲われました。
常識の通じないお客様に出会うのは、日常茶飯事なのですが、誰が見ても明らかな傷や汚れに対して、『知らぬ・存ぜぬ』を突き通してくる人は滅多に遭遇する事はなかったので、恐怖を感じたお話です。
その後のやり取りはどうなったんだ?
今まで使えてたのにってたろが、ゴルァ、おっ!
そこまで相手が堂々と言ってきたら自分がおかしくなっちゃったのかなとか錯覚するかも。
ガチで言ってきたとしてもそれはそれで怖い
会社に所属してるから、上司や同僚に状況を伝えたりしてしっかり断ったんだと思うけどなかなかやべぇな。
常識が通じないのは日常茶飯事って書いてるしクレーマーのマニュアルもちゃんとあるんだろうね