子供たちの怪談集
投稿者:四川獅門 (33)
一、だーれだ
2000年 東京都 某所
小学生時代、岡田さんは静かな図書室で休み時間を過ごすのが好きだった。
その日も図書室で静かに読書をしていると
『だーれだ』
後ろから手で目隠しをされた。聞き覚えの無い声だったという。驚きながらも彼女は答える。
「うーん……誰かな、トモちゃん?」
すると目隠しをしていた手は岡田さんの顔からフッと離れた。
岡田さんが振り返るとそこには誰も居なかった。
二、跳び箱
1996年 和歌山県 某所
スポーツマンの前田さんには唯一苦手な競技がある。
小学6年生の時、彼は体育の授業で跳び箱を習っていた。
前田さんは跳び箱目掛けて一直線に走り出す。
勢いよく踏切版に飛び乗ろうかという時、彼は見てしまった。
跳び箱の隙間から沢山の目がこっちを見ている。
驚いた前田さんは体制を崩し、床に激突した。
それ以来、彼は跳び箱が苦手だ。
三、肝試し
1995年 東京都
小学校教師の石田さんが体験した話。
その日、学級レクの出し物の1つとして夜間の学校で肝試しが行われた。
生徒をグループ分けして、校内を一周する。所々、保護者や他の教師がお化けに扮して驚かす、だいたいこんな内容だった。
肝試しから帰ってくる生徒は皆青白い顔をしていた。中には泣いてしまう子もいた。
『怖すぎたかな。まだまだ子供だな』石田さんはそんな事を思っていた。
すると肝試しを終えた生徒たちが口々に妙な事を言う。
残穢の竹内結子の語り口を思い出しました。