中古車買ったら彼女と別れることになった
投稿者:A (4)
が、翌日の講義の合間に担当者に電話しようとしたら彼女から電話が入ったので、すぐに電話に出た。
「もしもし!」
ああ、漸く彼女が機嫌を直してくれたか。
そう思うと車も手放さくてもいいのでは?なんて甘い考えが沸いて、なんて良いタイミングに電話してくれたんだと舞い上がってた。
「〇〇(俺の名前)くん?××にいるんだけど迎えに来てくれない?話したいことがあるの」
××というのは、大学から車で10分くらい離れた喫茶店。
ただ、彼女の家からは遠いし、最寄り駅から大学にかけても別方向にある場所だったから「なんでそんな所に?」と思った。
まあ、余計な事は詮索しないのが長く関係を続ける秘訣と聞いたことがあった俺は、特に間を置かずに「わかった」と了承した。
次の講義も入れていたが、彼女と天秤にかければ一回休むくらい問題ない。
これでも俺は殆どの講義を無欠席でやりくりしている真面目な方だ。
俺はルンルン気分で大学の駐車場から車を発進させると、彼女の居る喫茶店まで向かった。
運転の途中また彼女から電話が掛かってきたが、流石に運転中に出る程不用心ではない。
いつ何処で警官が目を光らせているか分かったものじゃない。
免許取りたての俺は至って真面目なドライバーだった。
暫くすると電話が鳴りやんだので、心の中で後でかけ直すからと謝罪しつつアクセルを踏み続ける。
その道中、ちょっとした視界が悪い交差点に差し掛かった。
道路の道幅が狭いのも良くないが、下町なのか、どうにも歩道との間隔も詰められているように思えて、対向車とすれ違う度に徐行で冷や冷やしながら進んでた。
そんな折、交差点に突入していざ曲がろうとした時だった。
その曲がり角から結構なスピードで軽ダンプが突っ込んできたので、咄嗟にハンドルを切ろうとした。
だが、俺がハンドルを回そうとした際、何か俺の腕を固定するように白い手が重なって見えた。
事故る時って「あーしなきゃ」とか「こーしなきゃ」って分かってるんだけど体が反応しないのな。
何かスローモーションなんだけどあっという間に過ぎるっていうか、そんな矛盾した体感で俺は電柱に車を擦らせながら何かの壁に突っ込んで止まった。
何かやたら反発する素材に体がおさまったと思ったらエアバッグが作動していた。
そして軽自動車だからか知らないけど、そこまでスピードは出してないように思えたのにフロントは結構ぺしゃんこになってて、俺の足が挟まってるのか動かせなかった。
後で救急車来たら折れてる事が分かってすげえ痛くて泣きそうだったのは別の話。
んで、漸く自分が事故を起こしたと分かると平常心というか放心状態だったのがかなりパニックに成り代わって頭の中は「どうしよどうしよ」ってな感じでいっぱいだった。
幸い周囲に居た優しい人が何人か集まって俺を車から引っ張りだしてくれたり、警察と救急車呼んでくれたりしてくれたからかなり助かった。
ただ、警察とかを待つ間、路上で壁に背もたれて呆然と過ごしているとまたスマホが鳴っている事に気付いて、徐に出てしまった。
「もしもし」
「やっと出た。さっきの電話何?誰?あの女」
車を無事に手放して新たな彼女を見つけてください。
事故車専門のショップがあるのを思い出した。今もあるのかな
私も以前買った中古のオデッセイ、ハンドルは変わってるし、天井には怪しい茶色いというか濃いシミがあった。エアバッグ出した事故やったあとで、天井のシミは血液?と思ってゾッとしました。特に事故は無かったけど…