二本の白い足
投稿者:ねこじろう (147)
短編
2022/08/29
15:33
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俺は頭を振りながら急いでカウンターにジーンズを渡し、引換券を受けとると、店を出た。
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裾上げまで30分かかるようなので、1階に降りてレストラン街に行き、パスタの店に入る。
サービスランチを平らげたら、いい時間になったので、ジーンズを受け取りに、さっきの店に
戻った。
補正カウンターに引換券を渡す。
店員が対応している間に、何気なくさっきの試着室に目をやる。
カーテンは開いており、人の姿はなかった。
俺は商品を受け取ると、店を出て、ショッピングモールを後にした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
車で自宅のマンションへと走る。
駐車場に到着したときは、夕方になっていた。
エントランスを通り、エレベーターに乗ると、4階で降りる。
渡り廊下を歩き自宅玄関の前に立つと、鍵を開けて中に入った。
誰もいない薄暗い廊下を歩き、奥にあるリビングに入り、荷物を下ろす。
ドスンとソファに座って一息ついて、何気なくベランダの窓の方を見た時だ。
─え!?
喉の裏に激しい心臓の鼓動を感じる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ぴったりと閉じられた背丈ほどのカーテンの下に、きちんと並んだ二本の白い素足があった。
【了】
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警察呼んだ方がいいと思います
試着ブースを覗いてはダメでしょう。