枕元の兵隊さん
投稿者:山椒魚 (6)
私が小学1年生の時の話になります。
当時住んでいた家は木造平屋建てで、寝るときは家族4人で川の字で寝ていました。
子供のころは好奇心旺盛でよく山で隠れ家を作って遊んでいました。
ある日、仲の良かったA君とB君と一緒に山の中へ遊びに行きました。「今日はもっと奥の方へ探検に行こうぜ。」とA君が言いました。
それまでは隠れ家付近でしか遊んでいませんでしたが、さらに山の奥の方へ探検に出かけました。
山の中を進んでいくと、大きなマンモスのような木に興奮しながらさらに奥へ進むと山を抜けてしまいました。
そこにはレンガで塞がれた小さな洞窟がありました。私は皆好奇心旺盛でしたがその洞窟には入らない方がいいと直感的に思えました。
他の二人も同じことを思っていたと思います。
その夜、私は初めて金縛りに合いました。
”体が動かない、声が出ない、呼吸が上手く出来ない” のに、眼だけははっきりと見える。
”助けて” 心の中では泣き叫んでいました。
すると、足元に誰かいる。見えないけど確実に誰かが歩いている。それも一人じゃなく何人も。
カチャカチャと音が聞こえてくる。
兵隊だ!銃を持っている!
目を閉じたくても閉じれない。息も上手くできない状況に怖さが倍増していきます。
兵隊は枕元まで来て消えて、それと同時に金縛りが消えました。
私はすぐに母親を起こし泣きつきました。
なのがあったのか理解できない母親はゆっくりと背中をさすってくれて、安心した私は眠りにつきました・・・。
次の日私はおじいちゃんの家に行き、山の先にあった場所のことを伝えました。
「そこは戦時中防空壕があった場所じゃ。」
この町はたびたび空襲に合い、この辺では防空壕の跡地は珍しくないとのことでした。
私が見たのは当時の戦時中日本の為に戦ってくれた兵隊さんでした。
怖い体験はしましたが、悪霊などではなく志半ばでなくなった兵隊さんだとわかり少しは気持ちが楽になりました。
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