行き先
投稿者:風見鶏 (6)
短編
2022/08/12
11:10
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翌日、得意気な顔をした後輩が、
「朝日どうでした?めっちゃ良かったでしょ?」
と言ってきたので、お礼とその時の様子を話すとギョッとした顔をして言いました。
「え!?なんで一番端に停めたんですか!?そこは焼身自殺があったって、俺言いましたよね!?」
私にあのポイントを教えてくれた時後輩は、駐車スペースの一番端で焼身自殺があったので別の場所に車を停めた方が良い、とアドバイスをしてくれていたらしいのです。
私はゾッとしたのと同時に、嫌な予感がしました。
すぐさまスマホで、
(〇〇交差点 死亡事故 女性)
と検索すると、
【横断中の女性死亡。急ブレーキかけるも間に合わず】
と出てきました。
私は震える手で、
(〇〇踏切 事故 死亡)
と検索すると、頭の中が真っ白になりました。
【〇〇踏切内で女性自殺】
あの警告音は故障などではなく、恐らく私が「それ」を助手席に乗せて線路下まで運んでいたんだと思います。
恐らく、というのも、そうだとしたらわからないんです。
今も家を出る時からずっと警告音が鳴っています。
線路下に行っても鳴り止みません。
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タクシー?