数年前に、遠距離恋愛をしていた頃の話です。
季節は冬になろうとしていて、寒い日でした。
遠距離恋愛とは行っても、県を二つほどまたぐくらいのもので、
会いに行けない距離ではありませんでした。
そのため、よく彼のもとへ行っていました。
彼が仕事が忙しく、わたしのほうが自由に使える時間があったため、
暇を見つけては、彼の住む街へ会いに行っていました。
電車で2時間とすこし。
新幹線を使うことなく、たくさん電車を乗り継いで会いに行っていました。
その日も、彼に会うために電車で向かおうと思っていました。
しかし、わたしの仕事が長引いたこともあり、
すこし遅い時間に乗ることになってしまいました。
もうこの時間では乗り換えの途中で終電になってしまい、
会いに行けないかもしれない、と思いました。
彼に相談しましたが、
今後はもっと忙しくなってしまい、これまで通りに会うことが難しくなるので
今どうしても会いたいと言われました。
そう言われてしまっては、もう会いに行かざるを得ません。
途中どこかで降りて一泊することになっても構わないという覚悟で向かっていました。
私が、その電車へ乗り込んだ時間は0時を回っていました。
改札階では、終電の電車が行ってしまったとアナウンスが聞こえていましたが、
急いでいた私は、一心不乱にホームへの階段を降りていました。
ホームに降りたところにある電光掲示板には、
信じられないことに、次の電車の時間が表示されているのです。
最初はすこし不思議に感じましたが、
わたしは待ってみることにしました。
電車が予定の時刻にやってくると、
ラッキー!と思い、真夜中の電車に乗り込んでいました。
これで彼に会いに行けるのです。
電車に乗り込んですぐに、社内を見回すと、
乗っている人たちが、ちらほらいました。
みんなスマホをいじったり、本を読んでいる人もいました。























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