真夜中の足音

両親が我が家に泊まりに来たときのことです。

本当は両親2人、同じ部屋に寝てもらおうとしたのですが、

母は神経質なところがあって1人で寝たいと言いました。

そこで急遽、普段は娘が使っている部屋を空けて、

母に寝てもらうことに。

そこは2階にある和室で、家の中で一番広い部屋だったので、

きっと母も落ち着けるだろうと思ったのです。

ところが翌朝、どういうわけか母はご機嫌斜め。

聞けば、昨夜よく眠れなくて寝不足だとのこと。

おかしいな、と思い理由を聞いてみると、

夜中にバタバタと足音がうるさくて、とても寝られたもんじゃない、

とのこと。

私は、それは有り得ない、と母に言いました。

だってうちの子供たちは既に中学生になっていて、

家の中を走り回るような年齢ではありません。

まして夜中です。

隣近所にも小さい子は住んでいないし、

きっと母が夢でも見たのではないかと反論しました。

ところが母は、眠れていないのだから夢なわけがないと言います。

私は少し怖くなってきました。

我が家は中古住宅なので、ネズミかヘビの仕業かも、とも考えたのですが、

明らかに人の足音だ、と母。

さらに詳しく話を聞いてみると、子供がキャッキャと騒ぐような声も聞こえた、

と言います。

ますますわけが分からなくなってきました。

結局母は、この部屋では怖くて眠れないということで、

次の日は1階の部屋で父と2人で寝てもらうことに。

すると、何も変な現象は起きなかったそうです。

母が経験したことはいったい何だったのでしょうか。

娘は今でも例の部屋を使い続けていますが、