四つん這いの女
投稿者:Sくんパパ (4)
水商売をしていた時の話です。
歌舞伎町で仕事をしていましたが歌舞伎町というだけで、もはやどこもかしこもどのビルもいわくつきでした。
私が働いていたお店はグループでいくつか店舗がありそのビルには7階で朝の時間、4階で夜の時間お店が営業しており日々忙しい日々を送ってました。
これは4階の夜の時間での話です。
ある日、代表の方から「いやー、昨日営業終わり店で寝てたらコツコツ音がしてさ、その音で起きちゃって。誰か入ってきたのかな?」なんて事を聞かされました。
もちろん誰かが酔っ払って入ってきたりする事はあるかもしれないので、「気のせいか、本当に誰か酔っ払って入ってきたんじゃないんですか?笑」なとど笑いながら話してその話は終わりました。
それからです。店にいる時コツコツという音が聞こえたという話をする人が増え始めました。
僕も内勤だったのでキャストを全員出して会計の確認等一人でする事はありましたが一度も聞いたことは無く「気のせい気のせい」と言って話を流していたんです。
内心、一人の時に聞こえたら怖いなぁとも思っていました。
そして、ここからが本題です。
それから更に何ヶ月か経ちその話も忘れかけていた頃、ある日の営業終わり店長が話があると僕を呼び止めました。
話をまとめると、
*今日気持ち悪いものを見たと言って帰ったお客さんが何人かいた
*それを僕も見てしまった
*お客さんが帰らなかったら言うつもりは無かったけど僕もあまりにもはっきり見えて相談したい
という話でした。
それを聞いたからと言ってお祓いをするわけにもなーと思ったし、なにより怖いし内容を聞くのも嫌でしたが今後の店のこともあるので全てを話して貰いました。
普段となんの変わりなくその日も営業していて、営業も終盤に差しかかった時最後のシャンパンコールを行われようとしていました。
店長はメインの機械がある場所で音楽を調整しながらマイクで仕切りを行っていました。準備も整い爆音の音楽と共に何人かのキャストが最後のテーブルに集まります。
天井のストロボをつけた瞬間
なにやら奥の方から黒い影が一瞬見えました。
音楽も調整しているし、なにより最後のシャンパンコールです。気にしている暇はありません。
ですが次の瞬間にはその黒い影は黒い影ではなくよーく見なくてもわかるくらいはっきりと四つん這いの女
に変わっていました。
真っ赤な服に真っ赤なハイヒールまではっきりと。
爆音の音楽に合わせてストロボがピカピカついたら消えたりしている中
そのストロボが光っている時のみ1秒毎の感覚くらいで女が徐々に徐々に這ってシャンパンコールをしている席に近づいていきます。
ピカっピカッ
ズゥ、ズゥ…
どうやらストロボが重低音に反応して光る時のみ見えて少しづつ進んでいるみたいでした。
想像したらめっちゃ怖い…