手を振っていた
投稿者:Sくんパパ (4)
これは妻と結婚する前の話です。
当時私達は共に水商売をしていて、いろいろな事情があり喧嘩やすれ違いが毎日のようにありました。
そんな中、僕は新しい店舗の立ち上げをすることになり妻と共に東京から京都に引っ越しをしました。
京都に引っ越しても僕らの仲は変わらず毎日喧嘩の日々でした。
そしてある日を境に妻が「最近(私の名前)が部屋の中で手を振っている」と言うのです。
最初は玄関と部屋を繋ぐガラス扉の玄関側の部分で手を振っていた。
次の日は部屋の隅で手を振っていた。
次は私達が寝ている枕元で手を振っていた。
だんだん近づいてると言うのです。
全て顔だけ何故か真っ暗で見えないけど、服装背丈体格絶対に僕だったそうです。
僕は最初聞いた時、いやいや離れたくないからなにか気に留めるようなことを言っているんだろうと思いました。
後に納得できるような気持ちになるのですが、この時はそんな気持ちでした。
そして最後に手を振っていたのを見た妻が言うには、
よく外で目をつぶっていて鳥やなにか目の前になにかが通ると目を瞑っていても光の加減が変わると思うのですが、深夜3時頃目をつぶっていた所いきなり目の前がなにかを往復してる光の加減になってそうです。
怖くて目は開けられないけど、確実に顔のすぐ目の前で手を振られていたそうです。
私はその時外に居ましたし、もちろん他に誰かが部屋の中にいることはありません。
それでも確実に私の匂いがしていて、私の気配がすぐ横にあるのは間違いなかったそうです。
そのまま妻は気付いたら寝てしまったようですが、その次の日に妻は怖くなり京都の専門の方に電話で相談したそうです。
その方曰く僕の生き霊ではないかと言う話でした。
思えば毎日、出来るだけ悲しませずに離れるにはどうしたらいいか。
離れなくちゃダメだなとか考えていました。
僕には特出した霊感もないし、生き霊を飛ばしていた感覚ももちろんありませんがそういう気持ちが妻の目に現れてそして京都の祇園という町だからこそそれが形に出てしまったのかもしれないと思っています。
今では結婚し子供も産まれあの時は怖かったねと話す程度ですが、この話を思い出すたび私は強い悪寒と寒気がします。
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